蓄電池を優先的に充電

 こうして建設した、最大出力5.2MWのメガソーラーの入口を入ってすぐの場所には、畜電池を収納し、充電もできる装置を設置している。災害時に、分譲住宅地の住民たちが、すぐに使えるようにである。収納する蓄電池には、住民が自転車に乗せて運べるように、容量2.2kWの小型タイプを選んだ。こうした用途のため、充電・収納装置の鍵は、分譲住宅地の自治会長が管理している。平常時から、発電した電力は、この蓄電池の充電に優先的に割り当てる仕組みになっている。

 蓄電池向けとして、メガソーラーでは珍しい、定格出力50kWのパワーコンディショナー(PCS)を1台導入している。ジーエス・ユアサ(GSユアサ)製の家庭用PCSだ。導入した理由は、災害時に電力系統網が停電しても運転を止めない自立運転型だからである。産業用PCSは、連系する電力系統が停電した場合、運転を止める設計になっているために、こうした使い分けが必要だった。この蓄電用PCSを除き、平常時の売電用発電向けのPCSには東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の500kW機と250kW機を組み合わせている。

 メガソーラーが発電を始めてから、初めての防災の日となった9月1日、分譲住宅地の自治会の主催による恒例の防災訓練のメニューには、今回からメガソーラー備えつけの蓄電池を使った炊き出しが加わった(図3~4)。

図3●分譲住宅地の防災訓練には、メガソーラー備えつけの蓄電池を使った炊き出しが加わった。写真では薪をあおぐ扇風機の電源に
(出所:三交不動産)
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図4●こちらは家庭用炊飯器の電源に
(出所:三交不動産)
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 この防災訓練は、分譲住宅地の管理や運営を担う三交不動産が主導しているのではなく、住民主導で実施している。近所づきあいが薄くなりつつある最近の新興住宅地にあって、光の街では、熱心な住民によって、分譲当初から夏祭りや盆踊り、防災訓練などが開催され、こうした活動を通じて、密接な地域のコミュニティが形成されているという。防災訓練では、メガソーラーが発電した電力を蓄電池に充電して活用する試みも実施した。太陽光発電が、早くも地域のコミュニティに溶け込み始めている。

 また、メガソーラーの北側、分譲住宅地の最南部にある、三交不動産のインフォメーションセンターを、メガソーラーを生かした環境学習室として活用している。小中学生の授業から、企業の視察まで、ほぼ週一回の頻度で団体が来場する場となり、「メガソーラーが加わったことで、この分譲住宅地の「光の街」という名が、よりイメージされやすい街になった」(三交不動産 総合企画室長 環境エネルギー事業部長 中村充孝氏)と相乗効果を期待している。