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自治医科大学 内科学講座 循環器内科学部門 主任教授の苅尾 七臣氏
筆者が撮影
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医療やヘルスケアにおけるエレクトロニクスの応用で、最も期待が集まる用途の一つが血圧の計測である。血圧は、心不全や脳梗塞、糖尿病といった、先進国を中心に人間の命を脅かしかねない疾病と強い相関がある。血圧の計測の重要性について、自治医科大学 内科学講座 循環器内科学部門 主任教授の苅尾七臣氏による「24時間血行動態モニタリングシステム : 臨床的有用性と今後の展望」と題する講演からまとめた。

 血圧は一般に知られている用語にもかかわらず、人間の健康に与える影響まではそれほど知られていない。

 血圧は、血液が血管壁を垂直に押す圧力である。心臓から血液が送出され、大動脈から末梢に脈波が伝わっていく際に生じる。脈波は、心臓から末梢に向かう順行性の駆出波と、逆行性の反射波が合わさったものである。従って血圧は、駆出波と反射波の合成波が血管壁に加える圧力ということになる。血管には、1日に約10万回の血圧がかかる。

 血圧に関する疾患の一つに、大動脈から脳に血液を流す頸動脈が細くなる動脈硬化がある。頸動脈に動脈硬化が生じた場合、細くなっている部分に血管を広げる部材であるステントを入れて、血流を阻害しないようにするための治療を施す。頸動脈の動脈硬化を発症した人は、他の何カ所かでも起こす傾向がある。