PR
Gartner社が発表した半導体ランキングの速報値。メモリ・メーカーのMicron Technology社やSK Hynix社が対前年比で大きく伸びる見通しである
Gartner社が発表した半導体ランキングの速報値。メモリ・メーカーのMicron Technology社やSK Hynix社が対前年比で大きく伸びる見通しである
[画像のクリックで拡大表示]

 調査会社の米Gartner社が2013年12月4日(米国時間)に発表した世界半導体市場予測(速報値)によると、2013年の世界の半導体売上高は対前年比5.2%増の3154億米ドルになる見通しである(リリース)。WSTS(世界半導体市場統計)の2013年秋季予測を見ても、2013年の世界半導体市場は対前年比4.4%増の3043億900万米ドルと3000億米ドルを超える見込みだ(関連記事)。

 ただし、Gartner社の調査によると2013年に好調だったのはDRAMやNANDフラッシュといったメモリ製品に限られる。非メモリ分野は前年とほぼ同じか、「緩やかな景気後退局面に入った」(ガートナー ジャパン リサーチ部門 半導体/エレクトロニクス デバイス担当 リサーチ ディレクターの國場將生氏)。この背景にはパソコン需要の低迷とともに、「半導体市場の牽引役であるスマートフォンやタブレット端末が高価なハイエンド・モデルから安価なローエンド・モデルにシフトしていることがある」(ガートナー ジャパン リサーチ部門 半導体/エレクトロニクス アプリケーション担当 主席アナリストの清水宏之氏)という。

 メモリでは特にDRAMが好調だったが、その理由も需要が高まったことではない。むしろ需要は低迷したのだが、DRAM各社がそれを見越して投資を絞り込んだ結果、供給不足になり、価格が高止まりした影響が大きいとガートナー ジャパンの國場氏は話す。また、韓国SK Hynix社のDRAM生産の約1/2を担う中国・無錫工場において火災が発生したことも影響している。すなわち、2013年は“メモリの価格が異常なほど高かった年”だった(関連記事)。

 メモリの価格があまりに高い状態が続くと、スマートフォンやタブレット端末のメモリ搭載容量はなかなか増えず、より安価なメモリに需要が集中することになる。2014年後半にはスマートフォンやタブレット端末、ウルトラモバイル・パソコンといった分野で新たな需要が立ち上がるとGartner社は予測しているが、いずれもローエンド品が中心になりそうだ。すると、メモリ各社はローエンド品向けの投資に集中し、そこで供給過剰に陥る可能性が高まる。その結果、メモリ市場は2015年にマイナス成長に陥るとGartner社は予測している。一方、非メモリ製品は2014年後半に在庫が解消するとともに、新たな需要によって健全な成長軌道に戻るとみられる。

 半導体市場の中長期的な成長を牽引すると期待されているのが、IoT(internet of things)である。今年は半導体分野でIoTというキーワードを盛んに耳にした年でもあった(関連記事)。ネットに接続されるデバイスのうち、パソコン、スマホ、タブレット端末を除く機器の数は2009年の9億台から2020年には260億台に増えるとGartner社は予測している。これに伴い、スマホやタブレット以外の市場でも半導体の需要が大きく伸びるとみられる。この需要をどう取り込むのか、半導体各社の今後の戦略が問われそうだ。