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 2013年9月末までの社会保障審議会・介護保険部会での議論を通して、2015年の介護保険制度の見直しに向けた論点がほぼ出そろった(表1)。社会保障制度改革国民会議で示された「中重度者への重点化」「一定以上の所得のある利用者の負担引き上げ」などを反映した内容だ。

 全体としては、第6期介護保険事業計画以降の計画を、2025年を見据えた「地域包括ケア計画」とみなし、在宅医療・介護連携を推進するのが基本方針となっている。

 注目を集めた介護予防給付の地域支援事業への移行は、財源構成は変えずに、予防給付(約4100億円、2011年度)と地域支援事業(約1570億円、2011年度)を「新しい地域支援事業」として統合。事業内容や人員基準などを市町村の裁量とする方針が示されている。

 在宅サービスでは、通所介護で大きな見直しが想定される。9月18日の介護保険部会では、事業内容を類型化し、介護報酬にメリハリをつける考え方が示された。急増する小規模型通所介護(1カ月当たり延べ利用人数が300人以内)の地域密着型サービスへの移行も検討項目に挙がった。

 2012年度介護報酬改定で新設された定期巡回・随時対応型訪問介護看護や、小規模多機能型居宅介護に訪問看護を組み合わせた複合型サービスは、提供実績が想定を下回るため、普及の阻害要因を分析し、促進策を検討する。

 施設サービスでは特別養護老人ホームの入居条件を要介護度3以上に限定する案が示された。一方、低所得高齢者の住まいの確保策として、空き家の活用や養護老人ホーム、軽費老人ホームの役割の再定義が論点に挙がった。

「2割負担」の対象者案を示す

 負担の見直しに関しては、9月25日の介護保険部会で、「一定以上所得者」について介護保険の自己負担割合を現行の1割から2割に上げる案が示された。個人単位で見て、収入から公的年金等控除額などを差し引いた「合計所得金額」が一定以上あれば、自己負担を2割にするというもの。

 合計所得金額は、(1)年間160万円、(2)年間170万円の2案を軸に検討を進める。年金収入だけの単身世帯の場合、公的年金等控除額は120万円で、案1では収入280万円、案2では収入290万円以上が対象になる。両案とも被保険者の2割程度の対象者を見込む。

 一方、今後も保険料水準の上昇が見込まれる中、1号保険料の低所得者向け軽減措置を強化し、現在の第1、2段階における軽減幅を5割から7割に広げる案などを示した。

 なお、補足給付には預貯金や不動産などの「資産要件」の追加を検討する。(1)預貯金が一定額以下(単身1000万円、夫婦で2000万円程度)、(2)不動産資産が一定額以下(固定資産税評価額で2000万円程度)などの案が示された。

 厚労省は11月末にも最終報告案を取りまとめ、法改正が必要な項目は次期通常国会に関連法案を提出する方針だ。

◎表1:介護保険制度見直しの主要論点(厚労省資料を抜粋、一部改変)
◎表1:介護保険制度見直しの主要論点(厚労省資料を抜粋、一部改変)
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