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透析支援システムのデータを活用した各種業務システムをFileMakerで開発

 柴垣医院は、患者情報を基本としたスタッフミーティングや医師の指示・処方確認のためのシステム、看護業務の1つとして糖尿病の透析患者に対するフットケア記録のアプリケーション、注射薬やダイアライザーの認証をはじめ透析業務のワークフロー管理などを行う透析業務フォローシステムなど、さまざまなツールをFileMakerで開発・構築してきた。

 透析支援システムのデータベースを基にして院内のデータを一元化し、ユーザー自ら開発したシステムや委託開発した各種業務システムを接続して、透析室業務の一気通貫のトータルソリューションとなっている点が最大の特徴だ。「データが一元化され、すべての業務で利用できる環境であるからこそ、高い効率性・省力性を生み出すことができます。IT投資に見合う成果が得られるようになってきています」と柴垣氏は強調する。

 FileMakerによる業務システムは、Dr. HEMODYのデータベースを二次利用するための中継データベースを置き、そのデータをFileMaker Serverに取り込んでいる。そして、各種アプリケーションは、iPad、iPad miniに搭載したFileMaker Goで、透析室ラウンド中に利用する環境を構築している。現在、iPad mini20台、iPad7台を導入。常勤スタッフ全員が業務で利用している。

 iPad miniなどを利用したシステムの1つが、患者情報閲覧アプリケーションだ。患者情報・申し送り情報・カルテのSOAPを参照するスタッフミーティング用画面、医師の指示・処方情報を確認するCARE BOARD指示一覧、スケジュール入力・確認画面、入退院予定記録などのツールがある。透析支援システムの中核システムであるDr. HEMODY V-EXとCARE BOARDの情報から、ラウンド中に閲覧すべき情報をFileMakerで再構築して、スタッフのiPad miniに表示する。カルテビューアの情報にもアクセスできるため、心電図やレントゲン画像も参照できる。

スタッフミーティング用の画面では、CARE BOARDに入力された各患者の申し送り事項をiPad miniで閲覧・確認できる。ミーティングリーダーが患者名をタップすると、全員のiPad mini上に順次申し送り事項が切り替わる。
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 例えばスタッフミーティング用ツールは、各クールの間に透析室で行われる申し送り事項の確認ミーティングで使われる。申し送り事項がある患者は、氏名が一覧表示される。ミーティングリーダーの操作で各患者の申し送り内容を次々に切り替えることができ、閲覧しているスタッフのiPad miniの画面には、リンクして順次に内容が表示されるようになっている。

 「従来は各ベッドサイドのCARE BOARDに入力した情報をリーダーが収集して用紙に転記し、それをミーティング時に口頭で伝達していました。そうした手間がまったく不要になったうえ、各スタッフが内容を目視確認できるようになり、正確な申し送りが可能になりました」(看護師長 山内恵美子氏)と話す。

iPad miniを全スタッフが見ながら、各クールの間に申し送りミーティングが行われる。

 医師の指示や処方情報も、指示内容を参照したスタッフが確認チェックを行い、ログとして管理されるため、確実な指示伝達が実現されるようになった。

 フットケア記録のアプリケーションも、従来用紙に手書きされ保管されていた看護記録のペーパーレス化、記録・管理の効率化を狙ったもの。フットケア記録のためのテンプレートには、皮膚・爪、知覚・血流などのアセスメント項目があり、「発赤」や「水疱」などの症状を選択形式で入力を簡易化し、合わせて部位をシェーマで描画できるようにしている。

フットケア記録は、アセスメント項目をテンプレート化して効率的で標準化された記録が可能。
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 写真として記録するときはiPad mini内蔵カメラで撮影し、描画用レイヤー画面にチアノーゼが出ている部位などを描画ツールで描き込めるようにした。記録したデータはその場でPDF化してタイムスタンプを付与したうえでカルテビューアに保存し、正規の看護記録として保管している。