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 2012年11月。ドイツのデュッセルドルフで開催された世界最大の医療機器展示会「MEDICA 2012」。17のホールを利用した合計12万m2のスペースに約4500社が出展する中、会場の端にもかかわらず、国内外の来場者がひっきりなしに訪れ、極めて大きな注目を集めているブースがあった。

 2013年7月17日に開催する「次世代医療機器サミット2013 ~次世代センサが切り拓くヘルスケアの未来~」において、「指を触れるだけで血圧が測れる ~『位相シフト法』がもたらすヘルスケアの変革~」と題して講演する予定の日本大学のブースである。


medica
開発品

 展示していたのは、指を触れるだけで計測可能な血圧計である。カフ(圧迫帯)なしで計測できるため、乳幼児や高齢者などの血圧計測が容易になる利点がある。さらに、日常の健康管理に利用する際にも、カフを巻く手間が省けるため、より気軽に血圧測定できるようになる。このため、「血圧計で高いシェアを持つ大手健康機器メーカーが、会期中、連日展示ブースを訪れ、いろいろと探りを入れていた」(関係者)というほどだ。

 この血圧計は、光を利用して測定するもの。LEDとフォトトランジスタを配置しており、LEDから発した光の反射光をフォトトランジスタで検出する。具体的な仕組みは明らかにしていないが、日本大学 工学部 教授でスウェーデン王立ウメヲ大学名誉博士の尾股定夫氏が開発した「位相シフト法」と呼ぶ技術を利用していると説明する。「位相シフト法を使うとS/Nが大幅に高まるため、極めて高い精度で測定できる」(同氏)と強調する。

 MEDICA 2012への出展後、この位相シフト法への問い合わせが世界中の企業などから相次いでいるようだ。尾股氏は最近、位相シフト法によるデータ処理を含めたコア部分を1チップ化することに成功したという。現在は1cm2角の大きさだが、「数mm角に小型化するメドも立っている。携帯機器にも実装できるようになるため、スマートフォンに搭載しているフラッシュ用のLEDを活用して、スマートフォンで脈拍や血圧を測定するといったことが可能になるかもしれない」(同氏)。2013年内にもパートナーと連携し、このチップの提供を始めたい考えだ。