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右上の端末がSilmee。タブレット端末にワイヤレスで測定データを送り出している例

 東芝は2013年3月、脈波や心電、体温、体動など複数の生体情報を同時にセンシングし、スマートフォンやタブレット端末などに無線でデータを送り出せるセンサ・モジュール「Silmee(Smart healthcare Intelligent Monitor Engine&Ecosystem)」の開発を発表した(関連記事)。クラウドを活用したヘルスケア・サービスに向けたものである。なお、同社はこのSilmeeなどについて、同年7月17日に開催する「次世代医療機器サミット2013 ~次世代センサが切り拓くヘルスケアの未来~」で講演する。


 このSilmeeの特徴は、脈波・心電・体温・体動という4種類の生体情報を同時に測定できるにもかかわらず、外形を約25mm×60mm、重さ約10gと小型・軽量の筐体に実装したことだ。この小型化を実現した背景にあるのが、測定対象ごとに仕様が異なる生体センサのアナログ・フロントエンドを1チップに集積する技術の採用だ。東芝は、これを「疑似SoC技術」と呼ぶ。

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Silmeeを分解した様子。中央のやや右に見えるのが、疑似SoC技術を利用したアナログ・フロントエンド部

 では、疑似SoC技術とはいかなるものなのか。東芝は、SoC(system on a chip)とSiP(system in a package)の中間的な技術であると説明する。すなわち、SiPよりも小型にできると同時に、SoCよりも開発(組み合わせ)の自由度が高く、開発コストも抑えられる、といった具合である。

 具体的には、異なる種類のダイをウエハー上に再構成し、そこから再度チップを切り出す。これにより、センサの種類によって異なるアナログ・フロントエンドを組み合わせて1チップにできるというわけだ。

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疑似SoCの概要。異なる種類のダイを再構成したウエハーから切り出すチップである。図は東芝の資料を基に作成

 なお今回は、四つのセンサのうち心電と脈波のアナログ・フロントエンドを疑似SoC技術によって一体化した。体温と体動についてはデジタル出力の汎用センサを用いた。

 2010年のISSCCで発表した技術だが、これまでは有効な応用先がなかったという。しかし、ヘルスケアでは、多様なセンサの組み合わせが必要で、新たな種類のセンサの開発もどんどん進んでいる。これらを取り込みながら小型化を図るためには最適な技術と位置付ける。「もし100万個以上売れれば専用LSIを起こした方が有利だが、ヘルスケアにおいてその時代が来るまでのつなぎとして活用していきたい」(東芝)。