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けいはんな
イベントの様子

 「健康ウォーキング ~古都奈良 東大寺編~」と名付けられた旅行企画が、2012年5月28日に奈良・東大寺周辺で実施された。身に着ける生体センサを用いてウォーキング中の心拍を計測、参加者それぞれの自律神経を分析するといった企画である(関連記事)

 この企画は、会員制の旅行クラブであるJR西日本ジパング倶楽部が実施したものだが、生体データの分析にかかわる部分は、この分野の研究を進めている奈良女子大学が協力した。同大学では今、どのような研究を進めているのか、関係者に話を聞いた。


 奈良女子大学は現在、「無意識生体計測&検査によるヘルスケアシステムの開発」といったテーマで研究を進めている。これは、文部科学省のイノベーションシステム整備事業 地域イノベーション戦略支援プログラムとして、けいはんな学研都市ヘルスケア開発地域が実施している研究だ。

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研究の概要(奈良女子大学の資料)

 事業期間は平成23~27年度の5年間。事業費は、各年度約1億6000万円という。

 この研究には、奈良女子大学を含め、けいはんな地区の7大学と一つの研究機関が参加している。具体的には、奈良先端科学技術大学院大学、大阪大学、京都府立医科大学、奈良県立医科大学、同志社大学、大阪電気通信大学、産業技術総合研究所 関西センター、である。このように多くの大学・研究機関が参加しているため、「さまざまな技術シーズが存在する」(関西文化学術研究都市推進機構 ヘルスケア事業推進室 けいはんな学研都市ヘルスケア開発地域 プロジェクトディレクターの寺崎肇氏)ことが強みであるとする。

「これまでの大学のプロジェクトとは異なる」

 個別の研究テーマとしては現在、「SoC応用生体計測センサ研究」「無意識生体計測&検査機器の研究」「非血液バイオマーカー探索と評価・検査研究」の三つがある。各大学・研究機関が、それぞれ得意な領域を生かしながら、分担して研究に取り組んでいる。

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研究に参加している奈良女子大学の関係者。背景は、国の重要文化財にも指定されている奈良女子大学記念館

 奈良女子大学は、このうち主に無意識生体計測&検査機器の研究にかかわっている。同大学 社会連携センター 特任准教授の梅田智広氏は、「大学のプロジェクトと言えば、特定の先生の研究テーマに影響されるものが多かった。しかし、今回のプロジェクトに対して奈良女子大学は、『団体戦』という姿勢で取り組んでいる。目標に対して、それぞれの先生が持つ専門領域をまとめあげていこうとしている点が、これまでの大学のプロジェクトとは大きく異なる」と強調する。

 例えば、梅田氏自身はデータ解析を専門としている。この他、情報処理を専門とする先生、ストレス分析を専門とする先生などが研究に参加している。こうした幅広い知見を組み合わせて、研究に臨んでいるという。