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事前登録の協力員が駆け付ける

 真誠会の24時間訪問サービスは、フィリップス緊急通報サービスを法人として本格的に導入した初めてのケースである。個人向けに提供している通常のサービスとは、少し異なる運用形態を採っている。

真誠会
フィリップス緊急通報サービスの通信機

 フィリップス緊急通報サービスは通常、加入登録料2000円、月額利用料3980円で、個人を対象に提供している。利用者は、サービス加入時にフィリップス・レスピロニクスに対して複数の「協力員」を登録する必要がある。これは、転倒・転落の通報があった場合に、サービス利用者のもとにすぐに駆け付けられる地域・近所の人である。

 転倒・転落の通報を受けたフィリップス・レスピロニクスのコール・センターは、「○○さん、どうされましたか?」などという通信機を用いた応答を通して、利用者がどのような状態なのかを確認する。誤報の場合はこの段階でスクリーニングできる。その上で、必要に応じてコール・センターは協力員に救助を要請するという具合である(地域によっては、フィリップス社員による有料の駆け付けも実施している)。

真誠会自身が対応する仕組み構築

 しかし、真誠会の24時間訪問サービスにおいては、フィリップス緊急通報サービスを活用しつつも、同社と調整の上で、利用者に対する実際の対応を真誠会自身が担う仕組みを構築した。

 例えば、転倒・転落の通報を受けたフィリップス・レスピロニクスのコール・センターからの連絡は、いったん真誠会のオペレーターに集約する体制を敷いた。連絡を受けた真誠会のオペレーターが、利用者の状況に応じて、ヘルパー・訪問看護を自宅に向かわせる、「地域のレスキュー隊」を向かわせる、などの判断を下すという。地域のレスキュー隊は、利用者の居住地域の近所に住むスタッフなどで構成されるボランティアで、真誠会がサービス導入に伴い用意した仕組みである。

真誠会
フィリップス・レスピロニクスのコール・センターの様子。

 こうした体制を真誠会が構築することで、利用者がフィリップス・レスピロニクスと契約する必要をなくした。あくまで真誠会との契約で、真誠会からサービスを受ける、という格好になるわけだ。さらに、真誠会にとっても、自らがすべての通報情報を一元的に受けることで、利用者の状況をより正確に把握できるようになる利点がある。

 「利用者の“顔”を分かってこそ、より密着したサービスになるわけですから」――。真誠会の小田氏は、こう語る。この言葉は、地域密着の取り組みを進めてきたこれまでの経験に裏打ちされているものだ。同時に、地域包括ケアを目指す今後の介護・医療において、単なる「ICTの活用」だけではなく、「地域密着」とのバランスを図っていくことの重要性を示していると言えるだろう。

■(下)の真誠会 理事長 小田貢氏のインタビューに続く(記事はこちら