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既存事業の技術を生かす

ソニー
2011年に発売した、医療用の有機ELモニター。

 もっともソニーは、前述の(1)のように、これまでも医療関連事業に取り組んできた。例えば、医療向けの記録装置やプリンターなどを手掛けている他、2011年11月には医療用の有機ELモニターも発売している。ただしこれらは、いわば医療システムとしての“周辺機器”。診断や治療といった、医療の“本丸”に向けた機器ではなかった。

 それに対して今後は、他事業で培ってきた技術を活用しながら、本丸の領域も強化していくというわけだ。ソニーの平井氏は、「我々が得意とするセンサや信号処理、レンズ技術などを組み合わせれば、さまざまな医療機器を生み出せる」と語る。

ソニー
東京医科歯科大学と共同で開発した、個々の細胞を標識物質なしで識別する装置「誘電スペクトロサイトメーター」。

 例えば2011年10月には、個々の細胞を標識物質なしに識別する装置「誘電スペクトロサイトメーター」を東京医科歯科大学と共同で開発。同装置を利用して、種類の異なるがん細胞の識別に成功したと発表した。同装置の開発に当たっては、光ディスクなどの技術を応用している。

ダイナミックな連携が必須

 しかし、早期にメディカル分野をコア事業の一つに育てるためには、自社技術の活用だけではなく、他社とのダイナミックな連携によって医療関連のさまざまなノウハウを取り込むことが欠かせないだろう。

ソニー
2011年11月に開催された「MEDICA 2011」でのオリンパスの展示ブース。

 例えば前述の(3)のように、ソニーは2011年9月、同社の米国法人を通して、医療用の診断機器開発を手掛ける米国のベンチャー企業であるMicronics社を買収。次世代診断機器の開発と事業化に向けた取り組みを加速すると発表した。

 経営再建中のオリンパスに対して資本・業務提携を打診しているのも、同社が保有する医療関連のノウハウに関心があるからに他ならないだろう。仮に、同社との資本・業務提携がかなわなかったとしても、同様に医療関連に強みを持つ他の企業との連携を模索する動きはしばらく続きそうだ。