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大きく二つのコンセプトを展示

旭化成
実証ルームからは富士山が見える

 今回筆者が訪れた在宅ヘルスケア実証ルームは、(2)の医療IT活用による健康生活サポートの取り組みを中心に、近未来のコンセプトを明示したものと位置付けられる。グループ企業である旭化成ホームズと連動し、実際の「家」を建設して、日常の生活環境に即した実装を施したのが大きな特徴だ。

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HH2015の外観

 「HH2015」(HHは“花開く”の意だという)と名付けられたその「家」の1階部分が、在宅ヘルスケア実証ルームに当たる。なお、HH2015は3階建てであり、前述した同社の新事業創出分野である「環境・エネルギー」「住・くらし」「医療」に関するコンセプトが随所に散りばめられている。

 1階の在宅ヘルスケア実証ルームに足を踏み入れると、大きく分類して二つのコンセプトが示されていた。(a)在宅血液透析に関連する展示、(b)生体モニタリングに関連する展示、である。以下では、それぞれの展示内容を順に紹介していく。

患者のニーズ高まる在宅血液透析

 (a)の在宅血液透析に関連する展示は、「今後、自宅で透析を行う人が少しずつ増えていく」(旭化成 医療新事業プロジェクト 医療IT 担当部長の水野努氏)という将来を見据えたものである。

 現段階では、自宅で透析を行っている患者は極めて少ないという。「国内で透析を必要とする患者は約30万人いるが、そのうち自宅で透析を受けているのは300人ほど」(水野氏)。

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リラックスした状態で透析するシーンを提示

 しかし、自宅で透析したいという患者の潜在的なニーズは強いという。通院して透析する場合に比べて、多くのメリットが考えられるからだ。例えば、時間的な制約が少なくなることが挙げられる。通院透析の場合は通常、週3回4時間の透析が必要となる。一方で在宅透析の場合には、毎日2時間程度透析するといった感じになるという。こまめに透析できるため、患者の体調維持に寄与する効果も期待できる。

 さらに、家族と共有できる時間が増えるため、患者のQOL(quality of life)向上につながるというメリットがある。このメリットを明示するため、実証ルームでは、患者がリビングでテレビを見ながらリラックスした状態で透析を行っているシーンを提示していた。