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ヘルプデスクでユーザーの習熟度向上を手厚くサポート

 システムを運用する中で、課題になったのが、(1)マスター管理(2)ヘルプデスク(3)変更要望への対処、の3つである。薬剤などは毎日のように変更されるので、変更が正しく反映され、出力されるかどうかを医事課まで出向いて、今まで確認してきた。そうした形でマスター管理を行ってきたことから、この7月頃にはマスターはチェックを終え、定常運用に入ることができる見通しだ。

 また、院内ではベッドサイド端末350台を含めて約2200台のクライアントPCと約200台のサーバーが利用されているが、同センターの専門職員のSEは2名しかおらず、サポートは協力会社が大きな役割を果たしている。開院前には、2カ月ほどかけて一斉教育を行い、新しく入職した職員や転勤してくる医師への教育も随時行っているが、電子カルテやPCの操作に慣れないことも多く、それだけでは十分に使いこなすことはできない。そこで、ヘルプデスクを設け、開院から2007年5月までは24時間態勢で対応に当たった。その結果、ピーク時は1日120件ほどあった問い合わせも、最近では30件ほどに減っていることから、要員を削減、夜間は協力会社のコールセンターに委ね、院内では昼間だけ対応している。

 さらに、実際に医療現場で使ってみて、使いにくいのでシステムを改善して欲しいという変更要望が200件余り上がってきている。それについては、「医療事故につながる危険性があるもの」と、「問題はないが使いにくいもの」に大別し、優先順位を付けて、必要な場合はシステムの変更を行っている。患者の命に関わる危険度の高いものでは、外来でチェックした食物アレルギーの項目が入院側のシステムに反映されないということがあり、これは直ちに修正を行った。

どんな要望にも「Yes,But」で対応したことがIT活用成功の背景

 このように、IT活用がスムーズに進んだ背景について、手塚氏は「医師やコメディカルの様々な要望に対して、ノーとはいわず、ともかく聞いて、その上で返事をする、『Yes,But』という方針でやってきていることが大きいです」と語る。例えば、端末10台足りないといわれても、「少し待って下さい」と答えて調査を行い、重要なところに3台配置するというような形で、すべてに対応している。難しい案件にもあからさまな拒絶をせず、ユーザーの立場に立って前向きに対応することにより、さまざまなステークホルダーからの協力を取り付けることができた。システム全体が定常運用できる見通しが付きつつあることから、同センターでは2007年12月を目標に、協力会社の支援を得て院内のヘルプデスクを廃止し、富士通の協力会社が運営する外部のコールセンターで24時間365日、質問・要望の受付やトラブルの一時対応ができる体制にする予定だ。

 また、2007年10月には病床数が355床になり、フルオープンすることから、1日あたり800~1000人程度の外来患者が見込まれ、1~2年後には単年度黒字が実現する。同センターではその時期をメドに、市内の診療所・クリニックとインターネットで結び、クリニックの医師と電子カルテの共有による1患者1カルテにし、病診連携システムを構築する構想を立てている。

図●八千代医療センターのシステム全体概要
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東京女子医科大学 八千代医療センター

■プロフィル
名称:東京女子医科大学 八千代医療センター
所在地:千葉県八千代市大和田新田477-96
病院長:伊藤 達雄氏
診療科目:【内科診療部】呼吸器内科科、糖尿病・内分泌代謝内科、腎臓内科、循環器内科、消化器内科、神経内科、血液・腫瘍内科、リウマチ膠原病内科 【外科診療部】呼吸器・血管外科、消化管外科、肝胆膵外科、乳腺・内分泌外科、小児外科 【総合母子 小児診療部】母性胎児科、新生児科、小児科、発達小児科 【専門診療部I】脳神経外科、整形外科、形成外科、眼科、婦人科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、歯科口腔外科 【専門診療部II】総合・救急診療科、画像診断・IVR科、内視鏡科、麻酔科、女性科、心身医療科、皮膚科、病理診断科
Webサイト:http://www.twmu.ac.jp/TYMC/