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 愛知医科大学病院は、医薬品情報一元管理システムを導入し、医薬品情報を管理するシステムの基盤を整備した。業務負担になっていた独自のデータベースの更新作業から解放され、DI業務の効率化を果たすとともに、病棟薬剤師との連携により診療現場に即した高度なDI活動を促進している。


 「真のDI活動は、既成の情報を管理・提供するだけでなく、診療の現場で起こっている薬にかかわる生の情報を直接収集し、加工・提供することによって薬の効果を最大化するとともに副作用を最小限に抑えることが目的と考えています。医薬品情報を管理するシステム基盤の整備は、そうしたDI業務の充実を後押しするものと思っています」。愛知医科大学病院薬剤部副部長の斎藤寛子氏はDI業務の本質をこう指摘し、その実現に寄与するのが医薬品情報一元管理システム導入による業務効率化だと言い切る。

薬剤師の病棟常駐体制により病棟業務・DI活動を充実

愛知医科大学病院薬剤部長の長谷川高明氏
愛知医科大学病院薬剤部長の長谷川高明氏

 薬の投与によって病棟の患者に実際に起きていることを確認するなど、生きた情報を得るためには、病棟薬剤師の存在が大きな役割を果たす。院外処方せんを発行していない愛知医科大学病院薬剤部では、かつては薬剤師定員数が1000床を超える大病院としては39名と少なく、十分な病棟業務が行われていなかったという。そのため、2007年度に21名の薬剤師を増員し、病棟を中心に常駐させる組織体制を作り上げ、病棟業務の拡充を図った。

 「最終的には2病棟3薬剤師体制を目標にしていますが、現時点では3病棟を2人の薬剤師が担当している状況です。まだ十分な体制とはいえないものの、病棟スタッフの常駐は看護業務の軽減やチーム医療への参画、それによる薬剤師のモチベーション向上などに寄与しました。また、DI業務においても従来は医薬品情報管理室の2人ないし3人のスタッフが担当していましたが、病棟常駐体制によって、病棟薬剤師と医薬品情報管理室スタッフが協力して担当できるようになり、高度なDI業務を展開できるようになりました」。薬剤部長の長谷川高明氏は、病棟薬剤師を拡充した成果をこう述べる。

 こうした医薬品関連業務の充実を後押しした背景にあるのが、日本ユースウェアシステムの「JUS D.I.」導入による医薬品情報の管理システム基盤整備だった。