横浜市の青葉さわい病院は、2005年の移転・新築を機に190床へ増床するとともに一般医療に加えて介護療養もあわせて運用するケアミックス病院としてスタートした。再スタートを機に電子カルテをはじめ、看護支援、介護支援、リハビリ管理システムなど、一気に院内のIT化に取り組んだ。診療・介護業務で一定の業務効率の向上を成し遂げ、今後は診療と経営の質向上に向けてデータの二次的活用を実現する考えだ。
地域の医療ニーズに応えるためにケアミックス病院としてスタート

1985年に横浜市の東急田園都市線たまプラーザ駅近郊で開院した青葉さわい病院は、整形外科単科としては希有の、当初から49床を持つ病院としてスタートした。地域に密着した医療を目指して20年にわたる医業経営の中で、高齢化とともに高齢者の長期入院患者が年を追うごとに増加。49床という規模では急性期入院患者の受け入れが難しくなり、また、療養入院患者の受け入れにしても地域の医療ニーズに応えられなくなりつつあった。一方、横浜市北部医療圏では慢性的に病床不足という課題を抱えていたこともあって、地域の医療ニーズに応えるためにも増床を計画。2005年12月に前病院に隣接するあざみ野駅近郊に移転・新築し、診療科に内科を加えた190床の病院として新たにスタートした。
「地域密着を標榜し、ニーズに応えていくためには高齢者の療養病床の増床に踏み切ることは避けられませんでした。また急性期・回復期医療の入院患者さんの受け入れを維持していく必要もあり、経営的に見ても地域医療を支えるにはケアミックス経営が必然でした」。理事長の澤井博司氏は、新築・増床の背景をこう述べる。新病院では、整形外科、リハビリテーション科、内科を診療科目として、一般病棟(40床)、回復期リハビリ病棟(34床)、医療療養病棟(60床)、介護療養病棟(56床)を併せ持つ、ケアミックス病院として生まれ変わった。
その移転・新築を機に、電子カルテシステムを中心に、病棟看護支援システム、リハビリ管理システム、介護システム、医用画像管理システム(PACS)などを導入、一気にIT化を推進した。また、あわせて病棟のベッドサイドにはテレビ兼用の情報端末を設置し、食事の選択や売店への注文、インターネットの利用など、IT化による患者のアメニティ環境も整備した。