氾濫する改訂情報を適切にコントロールするのが薬剤科の役目
同院では、JUS D.I.を、毎週火曜日に定期的に発行する薬事ニュース(写真右下)を補完する形でシステムに組み込んでいる。それによって、薬事ニュースそのものは、重要な更新情報だけをダイジェスト的にコンパクトに詰め込むことができるようになり、総ページ数も削減できた。

JUS D.I.の情報はセキュリティを考慮し、毎週月曜日にまとめてダウンロードし、ウイルス感染のないことを確認した上で、そのデータをオフライン経由でファイルサーバーに転送している。1回あたりの差分情報のデータ容量は200~300MB程度だ。
火曜日に薬事ニュースを見た医師らが詳細に調べたい場合は、院内の約800台のPCから添付文書などを直接見ることができるが、その時点ですべて情報が更新されている。また、同時に閲覧できるクライアントPCの台数に制限がないように、JUS D.I.をフルライセンスで購入している。
「JUS D.I.は情報を毎日更新するので、週1回といわず、毎日でも情報を提供することはできる。だが、多忙ゆえに見た医師とそうでない医師の間に情報のギャップが生まれるおそれもある。かえって氾濫する情報に現場が戸惑いかねない。情報を適切にコントロールするのが薬剤科の大きな役割のひとつだ」と高畑氏は強調する。
仮に薬事ニュースに掲載できなかった、緊急性の高い情報が製薬会社などから入った場合については、号外的に発信することでフォローしている。
医師や看護師にとってもこの方式のほうが、重要な情報を1週間分まとめて閲覧できるので手間がかからず、特に緊急性の高い情報についても随時把握できるため、対応しやすいという。
同院では、さらに新DIシステムをより使いやすく発展させていきたいと考えている。「画面の文字などを大きくしたり、薬品名の入力の際にキーボード入力できるようにしたりしたい」などの要望をまとめているところだ。改良を重ね、進化する新DIシステムを今後も同院では有効利用し、DI業務を充実させたいと考えている。

■病院概要
名称:市立砺波総合病院
住所:富山県砺波市新富町1-61
病床数:514床(一般病床461床、精神病床44床、感染病床4床、結核病床5床)
Webサイト:http://www.city.tonami.toyama.jp/tgh/index.html
システム開発・導入:日本ユースウェアシステム(東京・品川)
総販売元:スズケン