ドイツVDEの品質基準を取り込む

 シャープは2013年9月、太陽光パネルに対する新たな品質評価規格を策定した。電気製品の安全性に関する国際的な第三者認証機関であるVDE Testing and Certification Instituteが定める品質評価基準を取り入れたものだ。VDEとは、ドイツ最大の電気・電子技術協会で、電気分野のドイツ国家規格を策定したり、安全認証・試験を実施したりしている。VDE独自基準は、VDEがフラウンホーファー研究所やドイツの太陽電池産業界と共同で開発した太陽光パネルに対する長期信頼性試験プログラムだ。公的な品質評価基準より厳しいもので、現在、VDE独自基準の認証を取得しているメーカーは、シャープを含め世界で5社しかない。

図3●VDE Testing and Certification Instituteの認証取得証明書
(出所:シャープ)
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 太陽光パネルの国際的な品質評価基準としては、IEC(国際電気標準会議)が定める規格がある。シャープは、IECの試験項目に加え、稼働して約30年を経た壺阪寺の太陽光パネルのデータなどを生かした、独自の「加速劣化試験」を規定して、製品開発に生かしてきた。加速劣化試験とは、製品に意図的なストレスを加えることで、長期的に顕在化し得る劣化を短時間で再現する試験のこと。シャープは、独自の加速劣化試験に、VDEの定める試験項目を追加することで、IEC規格とVDE独自規格の両方に適合する品質評価規格を策定した。これに基づいて品質評価すれば、VDEの認証を取得できる(図3)「太陽光パネルの品質や長期信頼性は、変換効率と違って分かりにくい。IECより厳しい独自の評価試験を実施していると言っても独りよがりと思われやすい。そこで国際的な第三者認証機関から、シャープ独自の品質評価規格に対してお墨付きをもらうことで、品質や長期信頼性に関して安心感を高めてもらうことが狙い」と、シャープ・ソーラーシステム事業本部の吉岡秀起 品質・環境統轄は話す。