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診療科と薬剤部のダブルチェック体制を強化

製剤試験室 注射薬品製造室の薬剤主任 村木優一氏
製剤試験室 注射薬品製造室の薬剤主任 村木優一氏

 「医薬品医療機器総合機構のホームページを参照すれば、電子化された医薬品情報を手に入れられる。だが、院内LAN上に統合し、薬剤部が責任を持って、データを一元管理できない点が不満だった」と村木氏は述べる。

 代わって採用したのが、医薬品情報統合システム「JUS D.I.」である。JUS D.I.は、日本ユースウェアシステム(東京都品川区)が開発したシステムで、医薬品医療機器情報提供ホームページに掲載されている最新の情報を自動更新し、添付文書のすべての内容と添付文書の PDFファイル、薬品の剤形写真、院内医薬品情報などをサーバで一元管理し、院内LANに繋がれたパソコンから医薬品情報が自由に閲覧できるのが特長だ。

 同院がJUS D.I.の運用を開始したのは、2006年3月から。運用管理は当初、村木氏が担当し、2006年10月のバージョンアップ以降は、医薬品情報室 薬剤主任の川瀬亮介氏に引き継いでいる。

 現在のアクセス件数は月3000件ほど。運用開始から着々と増え、診療科への浸透がうかがえる(下のグラフ参照)。いまのところ、医薬品データベースへの同時アクセス数は、契約が5ライセンスなので制限されているが、診療科からの利用頻度が増えて、アクセスしにくい場面が増えるようであれば、アクセス数に制限のない最新バージョン(Advance、Standard)への切り替えも視野に入れている。

JUS D.I. のアクセス数月別推移

 「JUS D.Iのデータベースは、毎朝更新している。週報に間に合わない緊急情報は、Web上に載せて、医師がいつでも閲覧できるようにしている」(川瀬氏)。

 JUS D.Iの導入により、処方する立場の医師の業務の効率化や安全性向上といった面では、どのような変化があったのだろうか。

感染制御部 副部長の田辺正樹氏
感染制御部 副部長の田辺正樹氏

 感染制御部 副部長の田辺正樹氏は、「医師にとって、まず知りたいのは、用法・用量、禁忌、保険適用の有無など。例えば用法・用量などは、十分に注意してはいても、ベテラン医師でさえ間違える可能性がある。独断に陥らないために不明点は薬剤部にすぐ確認をとるようにしている。各診療科と薬剤部のダブルチェック体制によって、安全性をより高めることができる」と話す。薬剤部から診療科の医師への回答も、JUS D.Iの導入によって、迅速になった。

 また、医師が医薬品の情報を得る方法も効率化された。「当院は、人事異動が多いが、新しく赴任してきた医師でも、すぐに院内採用薬かどうかの判定をはじめ、代替できる医薬品などをキーワード検索で即座に一覧できるようになった」(奥田氏)。

 「診療科から薬剤部に、薬の臨時採用を依頼する場合、必要な資料を要望書と一緒に提出する必要があるが、その作成にともなう手間も簡素化されている」(村木氏)。

 薬剤部に対する、各診療科からの問い合わせの内容にも変化がうかがえる。

 「添付文書に記載されている内容に関わる質問は減っている。それは、JUS D.I.ですぐに確かめられることが理由だと考えられる。逆に、記載されていない内容、たとえば『この薬を、透析患者に投与する場合の留意点は何か』といった踏み込んだ質問が増えている」と川瀬氏はいう。