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対面相談に限りなく近い環境を実現するシステムを選定

 小笠原氏は、遠隔健康相談システムの開発にあたって、システム要件としてネットワーク遅延がないことと、映像のクオリティの高さを挙げたという。「遅延があるとコミュニケーションの阻害になり、ストレスを感じて会話が成立しなくなります。従って、実際の面談に限りなく近いスムーズな伝送環境が必要と考えました。また、健康相談を行う上で、相談者の顔色や表情は貴重な情報ですから、画質の高さも重要な要件です」(小笠原氏)。さらに、相談員が機器操作を簡単にできることはもちろん、高齢な相談者も多いと考えられるため、簡単な操作で利用できることも重要視した。

 こうした要件で実証実験に採用されたシステムが、シスコシステムズの「Cisco HealthPresence」だ。同システムは、テレプレゼンスと呼ばれるテレビ会議システムと、ユニファイドコミュニケーションの技術を融合した遠隔医療技術プラットフォーム。フルハイビジョンクラスの高画質動画、クリアな音声、ネットワーク接続された医療・健康機器などを通じて、双方向のコミュニケーションとコラボレーションを可能にするシステムである。

シスコシステムズの「Cisco HealthPresence」を設置したブース内部の様子(ツルハドラッグ元町駅前店で撮影)

 店舗側(相談者側)には、フルハイビジョン対応カメラが付属した37インチ大型ディスプレイとIP電話、映像・音声データなどを符号化・復号化するコーデック機器で構成される基本ユニットを置く。さらに、デジタル血圧計や患部などを撮影するハンディカメラ、プリンター、これらを制御するPCが接続されたシステムも設置する。

 一方、相談を受ける側の北大保健科学研究院の遠隔健康相談室と、血圧計やハンディカメラを除いた同様のシステムが設置されている。システムはインターネットともつながっており、Web画面や血圧計で測定したデータを取り込むアプリケーション画面をメイン画面にインサートし、相談者と相談員が情報を共有しながら会話できる。なお、店舗側のシステムは、相談者のプライバシーを考慮し、全面が囲われたボックス型の相談ブース内に設置している。

 実験開始当初は、オムロンの上腕式全自動血圧計「HEM-1040」とパナソニックのヘルスケア向けタブレット型モバイルPC「タフブック CF-H1」をUSBで接続していた。現在は、コンティニュア規格に対応したエー・アンド・デイの全自動血圧計「診之助(TM-2656VPW)」に変更し、コンティニュア規格対応のCF-H1にBluetoothでデータを転送している。コンティニュア対応血圧計にしたことによるメリットを、シスコシステムズのシステムエンジニアリング&テクノロジー公共・医療担当ソリューションズアーキテクト 岩丸宏明氏は次のように指摘する。

「Health Network System」の概要