5月31日~6月2日まで、北海道函館市の函館国際ホテルで開催された第16回日本医療情報学会春期学術学会(主催:一般社団法人 日本医療情報学会)では、企業による商品やソリューションの展示も行われた。
物流システムを手がける日本シューター(東京都千代田区)は、「ME機器管理システムパッケージ」を参考出展した。これは現在実証実験中のシステムで、医療用機器に関して(1)位置情報管理、(2)貸し出し管理、(3)レンタル・リース管理、(4)点検・整備管理の4機能を提供する。サイレックス・テクノロジー(京都府精華町)の「デバイスサーバ」と村田機械の「位置検知ゲートウェイ」を組み合わせて実現した。
「デバイスサーバ」は、RS-232Cインターフェースを搭載するラベルプリンターや計測器、産業用ディスプレイや医療機器に対して、有線/無線LANでのネットワーク接続を可能にする。RS-232C機器は、あたかもPCにシリアルケーブルで接続しているかのように利用できる。このデバイスがWiFiでの位置情報と機器の情報を取得して、「位置検知ゲートウェイ」経由でVPNネットワークなどを通じて、クラウド上の情報管理ステーションである「危機管理Cloudサービス」に転送する。
こうした情報は、Webブラウザーでの閲覧が可能。各機器がどの診療科や部屋にあるかなどの所在情報はもちろん、「使用中」「点検待ち」「貸出不可」といったステータスや稼働情報も分かるという。
モトローラ・ソリューションズは、一連のモバイル機器・ソリューションを展示。目玉は、現場での利用を想定した法人向けの業務用端末「ET1 エンタープライズタブレット」。OSはAndroidを搭載、Wi-Fi対応で高い堅牢性を持つ。今後、丸ごと消毒が可能など医療機関向けに特化した新バージョンを開発中で、米国では第3四半期、日本では来年早々の発売になる予定だ。
オムロン ヘルスケアが展示したのは、血圧分析サービス「Medical LINK」。患者が測定した血圧データがサーバに送られ、それを基に家庭血圧の推移や朝晩それぞれの平均値などを算出し、グラフ化して医師のパソコンに表示するもの。サービスに加入した患者には有料(6カ月5040円)の「認証カード」を貸与。医療機関には、カードリーダーやデータ閲覧プログラムを無償で提供する。受診時に患者が認証カードをパソコンに接続したリーダーに読み込ませると、分析データが表示される。