圧倒的に高い第3種電気主任技術者の合格率

――電気主任技術者の点検業務の外部委託件数などの急増に対して、電気主任技術者の拡充などは追いついているのか。

中部電気保安協会 本店 保安部 太陽光プロジェクトチーム 橋本 圭一課長
(撮影:日経BP)

橋本 今後も、現在までのようなペースで契約件数が増え続けていくようならば、要員面で逼迫してくる可能性がある。ただし、電気主任技術者の有資格者は限られており、新たに確保することは難しい。

 このため、新卒で採用する職員が、いち早く第3種の電気主任技術者の資格を取得し、外部委託の業務の条件として定められている、電気主任技術者としての5年間以上の実務経験を、できるだけ早く満たすように努めている。

 第3種の電気主任技術者の合格率は、他の地域の電気保安協会の10~20%に対して、中部電気保安協会は例年で40%台と高く、2013年は50%を超えた。採用の内定時からの意識付けを図るとともに、従事後には、専門の研修の受講や、日常的にマンツーマンでの個人指導を徹底するなどの支援体制を敷いている成果と自負している。

――大規模な太陽光発電システムが急速に増えてくる中で、想定外だったことはあるか。

橋本 増えることは想定していたが、ここまで爆発的に増えることまでは想像していなかった。また、設置する場所の多様さも想定を超えていた。工場内の遊休地や屋根だけでなく、貯水池の上や、ビニールハウスの上、田畑の上にまで太陽光発電システムが設置されるとは、思いもよらなかった。

 元々、自家用電気工作物の設置が想定されていないような土地や場所に、売電を目的とする太陽光発電システムが設置されている。こうした状況に対して、電気主任技術者の責務として、法の定める範囲の中で、いかに安全かつ効果的に点検できるかが、今後、われわれに課された課題である。

 例えば、保安規定で定められた点検を実施するためには、太陽光発電システムに近づくための通路があるのかどうか。中には、電気主任技術者が近寄って点検するのが困難な場合があるだろう。

 ビニールハウスの上に設置されているならば、太陽光パネルを点検するために、上に登るための設備や経路が確保されていなければならない。それが十分でない場合、点検できないことを理由に断るのか。そうではなく、何らかの形で点検する手法を用意したり、ルールを逸脱しない範囲で対応策を用意しておく必要がある。

 その中で、現状使うことができる技術によって、当初、太陽光発電システムの設置が想定していなかったような場所での点検を補完する方法を模索していきたい。その一つが、点検用の自律型ヘリコプターである。

――電気保安に関わる業務にとどまらず、保守(メンテナンス)やコンサルティングまで取り組んでいるのはなぜか。

橋本 電気保安だけやっていれば良い時代ではないと認識しているからである。太陽光発電システムでは、O&M(運用・保守)の一歩手前くらいのところまでは、取り組みたいと考えている。運営(オペレーション)は難しいが、メンテナンスの面で、顧客に近い意識を持って、どこまで役立てるのかが問われていると思う。