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 厚生労働省の「専門医のあり方に関する検討会」は8月3日、中間まとめ案を大筋で了承した。

 これまでは、各学会が独自の認定制度に基づいて専門医の資格を付与。その結果、認定制度が乱立し、基準も統一されておらず、「患者にとって分かりやすい仕組みになっていない」との指摘がたびたびなされてきた。検討会はこうした現状を改め、学会に代わる中立的な第三者機関が専門医の認定制度を構築・運用することを提案。第三者機関が養成プログラムの評価も担う考え方を示した。

 新しい制度案は、「外科」「小児科」など18の「基本領域」の専門医資格を設定。さらに「循環器専門医」などのサブスペシャリティー領域の専門医を取得するという2段階の仕組みとなっている。特定の臓器や疾患を専門とせず、患者を幅広い視点で診られる医師についても「総合医・総合診療医」として基本領域の中に位置づけることで合意した。

 専門医養成の仕組みや既存の専門医制度からの移行措置など、整理すべき課題については引き続き議論し、年度末をめどに報告書を取りまとめる予定。専門医を認定する第三者機関については速やかな設立を目指し、来年度予算の概算要求に盛り込むことも検討している。