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GEヘルスケア・ジャパン ヘルスケアIT本部 本部長の大塚孝之氏
GEヘルスケア・ジャパン ヘルスケアIT本部 本部長の大塚孝之氏
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 GEヘルスケア・ジャパンは2月5日、都内で「医療におけるクラウドコンピューティング」セミナーを開催した。その中で、同社ヘルスケアIT本部 本部長の大塚孝之氏が、GEのクラウドコンピューティングへの取り組みについて講演した。

 大塚氏はまず、GEが世界規模で進めているヘルスケアに関するプロジェクト「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」について触れた。2015年までに、医療コストの削減、医療品質の向上、医療へのアクセス拡大の3項目をテーマとしたイノベーションに、総計60億ドルを投資する、と説明した。

 続いて、こうした医療イノベーションを起こす前提として、ITの活用による医療の標準化が重要だと指摘。医療技術・医療情報・国民健康保険データの標準化・平準化・共有化と、こうしたデータの整備と蓄積が必須だと強調した。

 また大塚氏は、2011年にクラウドコンピューティング技術を利用し、CTやMRIなどの画像データ管理を主目的としたデータセンター事業を日本国内で開始すると言明。続いてGEヘルスケアの提唱するツーティア型について解説した。

 「まずデータを、短期保存データ(STS)と長期保存データ(LTS)に大きく分けて考える必要がある。参照数の多い前者は病院内サーバー、あるいは高コストながら信頼性の高いデータセンターで、普段ほとんどアクセスしないが保存が必要な後者は低コストのクラウド・データセンターで保管する、という使い分けが必要。運用コストはもちろん、セキュリティ、災害対策(ディザスタリカバリ)も考慮した場合、データセンター利用は最適な方法だと思う」と持論を述べた。

 最後に大塚氏は、クラウド技術の採用やデータホスティングの利用で実現が期待される様々なソリューションについて説明。医療施設同士のメディアレスな情報交換、ソフトウエアやソリューションのSaaSでの利用、クラウド基盤の遠隔画像診断プラットフォームとしての活用、地域連携医療やPHR(Personal Health Record)、医療のワンストップ・マッチングサービスであるメディカル・コンシェルジュの実現、などを例に挙げた。