外来
地域医療貢献加算を改称・再編 大病院に外来を制限する仕掛けも
外来医療に関する今改定の強化ポイントは、病院と診療所の役割分担。診療所関連で注目されるのが、再診料の地域医療貢献加算の改編だ。
同加算については、対応すべき時間帯や、地域の複数の医療機関が連携して対応した場合の算定の可否があいまいで分かりにくいとの指摘があったため、要件を明確化。名称を「時間外対応加算」に変更し、点数も従来の3点から1点、3点、5点の3段階に設定した。5点を算定できるのは、標榜時間外に常時対応する体制を整えている診療所で、輪番制で対応しても1点を算定できるようにした(図1)。

紹介率低い大病院は初診料200点
一方、病院の外来に関する大きなトピックが、紹介率の低い大病院の初診料・外来診療料の大幅な引き下げだ。紹介を伴わない大病院の外来受診を制限するため、紹介率が40%未満、逆紹介率が30%未満の特定機能病院または500床以上の地域医療支援病院の初診料を270点から200点に、外来診療料を70点から52点に引き下げた。
200床以上の病院は、保険外併用療養費制度の選定療養の仕組みにより、紹介状を持たずに受診した患者からそれぞれが定める特別料金を徴収できる。今回の見直しは、引き下げによる減収分をこうした特別料金の徴収でカバーすることを暗に促すものだ。対象病院が特別料金を上積みするケースが増えれば、紹介なしの外来受診が減る可能性も高くなる。
2月28日時点では、該当する医療機関の数は明らかになっていない。1年間の経過措置があるため、該当施設はこの間に連携強化などの対策に本腰を入れることになるだろう。ただ、地域に紹介元や逆紹介先となる医療機関が少ない場合には、対応に苦慮するケースも出てきそうだ。
このほか、診療側から要望が強かった、複数科受診と入院患者の他医療機関受診の際の扱いで前進が見られた。
中医協で診療側委員が引き上げを要望していた再診料本体は据え置きとなったが、患者が同じ日に同一医療機関の複数診療科を受診した際の再診料の扱いが見直され、患者の意思で受診した場合に限り、二つ目の科の受診で再診料・外来診療料として34点を算定できることになった。
また、入院患者が他医療機関の外来を受診した場合の入院料の減額措置も緩和された。現行では、出来高病棟と包括評価病棟の包括範囲外の診療行為が外来で行われた場合は、入院基本料が30%減額される。これを、精神病棟、結核病棟、有床診療所から透析やPETなどの検査のために他医療機関を受診した場合に限り、15%の減額に改めた。包括評価病棟の包括範囲に含まれる診療行為が行われた場合は、入院料の減額分をこれまでの70%から55%の減額に緩和する。