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小規模多機能の報酬が参考に?

 では、ずばり報酬は幾らに設定されるのか。参考になりそうなのが同じ地域密着型サービスである現行の小規模多機能型居宅介護サービス(以下、小規模多機能)。小規模多機能の報酬は、訪問、通い、泊まりのサービスに対して利用頻度にかかわらず、要介護度ごとの包括報酬を設定している。

 24時間対応サービスは、小規模多機能の報酬から泊まりや通いに伴うコストを差し引いた上で訪問看護や随時対応、オペレーション業務のコストをプラスするイメージと考えれば、小規模多機能とほぼ同水準かやや低い水準とみることもできる。少なくとも小規模多機能と同じく、要介護3以上の報酬は要介護1、2 より相当高く設定される可能性が高い。もともと新サービス創設の狙いは、中重度者が住み慣れた家で生活を継続できるようにすることにあるからだ。

 連携型に関する報酬では、24時間訪問サービス事業所との連携促進と連携にかかるコストをカバーするため、訪問看護ステーション側に加算が付く公算が大きい。

 24時間訪問サービスの指定基準や介護報酬は今後、介護給付費分科会で議論を詰めて年末に審議報告としてまとまるもよう。併せて年末の予算編成過程で介護報酬の改定率が決まるため、それに基づいて来年1月末に報酬単価が確定し、その後、指定基準が最終的に固まるとみられる(表3)。

表3◎今後のスケジュール(編集部の予測を含む)
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図3◎24時間訪問サービスの事業者にとっての主なメリットと難しさ(取材を基に編集部で作成)
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 厚労省案は示されたものの、現段階で、各事業者が新サービスへ参入すべきかどうか判断するのは難しい。取材を基に、参入のメリットと難しさを図3にまとめた。「現行の訪問介護に比べて利用者の評判やケアの質が上がる確率が高まる一方で、人手やコストがかかるほか、ヘルパーのアセスメント能力が必要になる」と旭川市から委託を受けて7月からモデル事業を始めた旭川中央ハイヤー(株)社長の柏葉健一氏は話す。

 もう一つのポイントは、新サービスの事業者指定を行う市区町村が「公募制」と「協議制」を採用するかどうかにある。両者とも、今回の制度改正で新しく盛り込まれた仕組みだ。

 公募制とは、新サービスをはじめ一部を除く地域密着型サービスについて、第5期介護保険事業計画(2012~2014年度)からサービスの見込み量の確保や質の向上が必要と判断した場合、一定区域内で事業者を公募により最長6年間指定できる仕組み。裏を返せば「公募に通れば、ほかの事業者の参入が制限されるため、対象エリアで新サービスの利用者を安定確保できる」(全国訪問介護協議会会長で(株)さくらケア
社長の荒井信雄氏)。そのため、参入当初は赤字覚悟でも、利用者の早めの確保を狙って参入する戦略はあり得る。