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オペレーターは常駐でなくても可

 24時間訪問サービスでオペレーターの役割は重要だ。利用者との会話などを基に状態の把握や緊急性、スタッフの訪問の必要性など、多様な判断が求められる。一方で基準のハードルが高すぎると人員確保が難しくなる。

 実際、2006年度に創設された夜間対応型訪問介護があまり普及していない理由の一つが、オペレーターの資格要件の厳しさ。医師、看護師、准看護師、保健師、社会福祉士、介護福祉士、ケアマネジャーのみが認められている。

 この点を踏まえ、新サービスの指定基準案は、オペレーターの資格要件として上記の各職種に、介護職員基礎研修修了者、訪問介護員1級課程修了者、実務経験3年以上の訪問介護員2級課程修了者を加えた。これは、現行の訪問介護のサービス提供責任者と同じ要件のスタッフを認めることを意味する。

 だが、委員からは「判断ミスが事故につながりかねない重要な役割なので、夜間対応型訪問介護と同じ要件にすべき」「要件を緩和するなら、サービス提供責任者経験者に限定すべき」など様々な意見が出たため、再整理されそうだ。

 人材確保の狙いから、訪問スタッフと同じくオペレーターにも特養や老健施設などの夜勤スタッフとの兼務や深夜の業務委託を認めている。さらに、夜間対応型訪問介護のようなオペレーションセンターの設置は求めず、オペレーターは地域を巡回しながら随時、利用者からの連絡に対応できるようにした。

 オペレーターと利用者、オペレーターと訪問スタッフの通信手段として厚労省は「スマートフォン(高機能携帯電話)など、市場で流通している通信機器を活用してほしい」(振興課)と説明する。

 人員基準案で、このほか注目すべきは「計画作成責任者」(仮称)の設置。ケアマネジャーによるケアプランを基に、定期巡回の日時やサービス内容、所要時間などを定める重要な役割を担う。なお、厚労省案では、一体型の場合、看護職員、オペレーター、計画作成責任者のうち1人以上は常勤の保健師または看護師の配置を求めている。

 指定基準関連では、サービス付き高齢者向け住宅などの集合住宅の入居者に新サービスを提供する場合、囲い込み防止のため、地域住民へのサービス提供を義務づける案も厚労省は提示した。しかし、分科会では賛成する意見と「供給促進の観点から当初は制約を設けず、実態を見てから検証してはどうか」という声が出て意見が割れたため、今後引き続き議論する。

 夜間対応型訪問介護の「失敗」を踏まえた工夫の跡が見られる厚労省案だが、新サービスは24時間体制でサービスを提供する以上、間違いなく人手とコストがかかる。そのため、「介護報酬だけでなく、補助金など新規参入のインセンティブを設けてほしい」(全国訪問介護協議会会長で(株)さくらケア社長の荒井信雄氏)という意見は少なくない。この点について、厚労省は「2012年度予算の概算要求に地域介護・福祉空間推進交付金の対象に新サービスを加えることにした」(振興課)と話す。