寿命を考慮して部品を交換

 細密点検は、5年ごとに実施するもので、PCSメーカーが担当します。5年ごとに実施する理由の一つには、寿命部品があるためで、この周期に合わせ、交換部品の健全性も含め機能点検を実施します。

 PCSを構成する部品のうち、寿命部品は、図2に示すものです。例えば、防塵フィルタと冷却ファンは、それぞれ5年間ごとに交換します。このうち、冷却ファンは、機械機構でもあり公称寿命より早めに交換し、予防保全を図ります。

図2●細密点検は、PCSメーカーが担当し、寿命部品はこの時に交換する
(出所:著者)
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 次に、PCSの表示を担う液晶パネル、ヒューズもそれぞれ10年間を目安に交換します。また、インバータに使っている電解コンデンサは、15年間で交換します。コンデンサ類は、設置環境などの温度により大きく影響されるため空調による温度管理が重要になります。

 これらのメンテナンスによって、20年間のメンテナンスコストが試算されます。PCSメーカーによっては11年目にPCSを更新する場合がある中で、TMEICの場合は、20年間をメンテナンスで維持管理しますが、PCSを更新した場合の40~60%のメンテナンスコストで済みます。11年目にPCSを買い替えるような運用をするよりも、コストは安いといえるでしょう。

 ただし、PCSを設置する環境が悪い場合、制御基板、制御電源基板、電圧センサー基板、コンデンサを、それぞれ15年間で交換する必要が出てきます。TMEICが想定している、空調で管理した筐体内に収める場合、この交換は不要だと考えています。

 今回紹介した部品の交換時期は、TMEIC製のPCSの例です。PCSメーカーによっては、11年目に本体を丸ごと更新するメーカーもあります。現在のメガソーラーは10年以内に投資を回収できるために、部品ごとに交換する手間を省き、丸ごと交換してもメガソーラー事業として成立するのです。

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