多くの介護ロボット関係者は、本格的な市場拡大に向けて、まだ欠けている要素があると指摘する。その一つが、安全性・信頼性の基準整備だ。

ネックだった安全性基準の未整備
例えば、介護ロボットではないものの、米iRobot社の「Roomba」が市場を開拓したお掃除ロボットに関して、実は、パナソニックもかなり前に開発を完了させていた。しかし、社内でのリスクアセスメントの結果、発売を断念した経緯があるという(関連記事)。人と共存するロボットに関する安全規格が整備されていなかったため、どこまでの安全性を求める必要があるのか判断できなかったからだ。
こうした状況の中で強く求められていたのが、介護ロボットの安全性・信頼性に関する拠りどころとなる基準の整備だった。そこで、NEDOなどによる生活支援ロボット実用化プロジェクトは、この基準の整備に向けた取り組みを進めてきた。