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宮田喜一郎
生活支援ロボット安全検証センターの外観

 例えば、実際にロボットの評価を実施できる施設「生活支援ロボット安全検証センター」を設け、安全性などの試験技術や検証手法を開発。さらに、これらを踏まえた国際標準の草案を提出し、「議論をリードして正式発行に至った」(NEDO)のが、今回のISO13482というわけだ。

 ISO13482の適用範囲は、「年齢や能力に関係なく、意図した機能を利用者の生活の質の向上のためタスクを実行するロボット」とされ、主に次の3タイプのロボットが定義されている。すなわち、装着型(physical assistant robot)、移動作業型(mobile servant robot)、搭乗型(person carrier robot)である。多くの介護ロボットも、まさにこの適用範囲に入ることになる。

宮田喜一郎

 ISO13482が正式発行された意義を、NEDO 技術開発推進部長の久木田正次氏は次のように語る。「実用化のネックになっていた安全性の基準に関する不安が取り除かれ、(リスクを懸念しがちな)大企業からも介護ロボットを市場投入しようというムーブメントが起きてくるはずだ」。

 生活支援ロボット実用化プロジェクトのプロジェクトリーダーを務めた、産業技術総合研究所の比留川博久氏も、「これまでどのような安全設計をすればよいのか分からなかった中小企業にとっても、今回のISO13482の発行によって設計がしやすくなり、参入の活発化につながるだろう」と語る。