
今回のISO13482の正式発行を受けて、早速、パナソニックはフルリクライニング車いす付きベッド「リショーネ」に関し、同規格の認証を取得した(関連記事)。同社は早ければ2014年内にも同製品の実用化に踏み切る考えだ。
これまであいまいだった生活支援ロボットの安全性・信頼性の評価の拠りどころとなる国際規格が正式に発行されたことで、今後、介護ロボットの開発・実用化にとっては追い風となるだろう。
サービスとの連携が今後の課題
ただし、ISO13482が正式発行されたことで、今後の介護ロボット市場の拡大の見通しが順風満帆かといえば、決してそうではない。同規格はあくまでハードウエアに関するもの。実際に、介護ロボットが社会に実装されていくためには、介護現場の理解や使いこなしなど、サービス提供側から見た視点を考慮していく必要がある。
今回の生活支援ロボット実用化プロジェクトに関わった、あるキーパーソンは次のように語る。「このプロジェクトには、日本の多くの企業・団体の知恵が集まって一定の成果をあげた。しかし、プロジェクトにかかわっているのは、いわゆるハードウエア関連の企業や団体がほとんど。サービス側との連携を図っていくことが、次のステップになるだろう」。
日本が主導権を握った今回の国際規格の発行を無駄にしないためにも、今後、サービス提供側の視点を取り込み、技術の担い手と使い手が一体となった素早い取り組みが求められている。