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2002年にノーベル化学賞を受賞した、島津製作所 シニアフェローの田中耕一氏。同氏は今、日本の技術を生かした医療のイノベーションの重要性を説いている。日経BP社が2012年11月に開催した「デジタルヘルス・サミット2013」では、「日本のものづくり力を医療に」と題し、医療の領域に対してエレクトロニクスなどの異分野企業が飛び込んでいくことの意義を、同氏の経験や研究内容を基に示してもらった。本稿では、この講演内容の一部を編集しお伝えする。


 私は2002年にノーベル化学賞を受賞した。それ以降、海外出張の際に、次のような質問をよく受ける。「なぜ化学を学んでいないのに、化学賞を受賞できたのか」─。私は毎回、答えに窮する。しかし、この質問の中にこそ、これからの日本の産業が強みを発揮していくためのヒントが隠されているのではないかと考えている。

 質問の答えを考える上で、自分自身を振り返ってみたい。

「デジタルヘルス・サミット2013」で講演する島津製作所の田中耕一氏(写真:aki sano、以下同)