パネルが変色しても出力性能はほぼ変わらず

 こうした古いパネルの劣化状況を分析できることは、大きな強みになるという。30年間の劣化状況と出力低下を分析することで、新品時での耐久性に関する評価基準の精度を検証できるからだ。「佐倉に設置したパネルの出力低下率を今の製品に適用できないが、これまでの評価基準の妥当性を確認できた」と、池田事業部長は言う。

 30年間、稼働し続けたパネルの経過を観察し、出力を評価することで、製品開発に生かされたものも多い。実は、佐倉ソーラーエネルギーセンターのパネルは、設置して20年経ったころから、当初透明だったセルとカバーガラス間に充填する封止材の変色が目視されるようになった(図7)。だが、同時に「分析の結果、部材の変色が出力にほとんど影響しないこともわかった。その後の80年代後半に製造したパネルでは、すでに改善し、変色しないものに変わっている」(本多主幹技師)。「実際の自然環境下で何十年も監視し続けることにより、本当の意味での実績に裏付けられた寿命を確認できる」と本多主幹技師は言う。

図7●設置して20年経ったころから、パネルの色が茶色に変化し始めた
(出所:日経BP)
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 京セラでは、IEC(国際電気標準会議)の基準を大幅に上回る加速劣化試験を実施し、製品化への基準としている。例えば、IECの高温高湿試験では、「温度85℃、湿度85%で1000時間」という基準だが、京セラではこの条件を温度、湿度、時間ともさらに厳しくして10倍を超える条件で試験を実施し、社内基準にしている。こうした耐久性能を支えているのは、「ほとんどの製品をシリコン原料からのインゴット製造、ウエハー、セル、パネルまで自社で製造し、組み立てている強み」と池田事業部長は言う。加えて、「顧客の目線に立った設計」を強調する。