常陽銀行からメガソーラーの提案

 「空いている敷地に太陽光発電の設備を建設し、発電事業を始めてはどうか」。2012年秋、メインバンクの常陽銀行から、こんな提案があった。同行には、遊休地の活用法に関して相談してきた経緯があった。2012年7月に始まった固定価格買取制度を活用すれば、空き地に出力1MWのメガソーラーを建設し、東京電力への売電事業として20年間にわたり安定的な収益が得られるという。事業費は約3億円になる。常陽銀行から融資を受けられることになり、新事業が動き出した。

 EPC(設計・調達・建設)サービスは、大和ハウス工業に委託した。太陽光パネルは、韓国ハンファQセルズ製、パワーコンディショナー(PCS)には東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を設置した(図2)。2013年8月に完成し、売電事業がスタートした。一般的に、出力1MWクラスのメガソーラーの場合、年間で4000~5000万円の売電収入が得られる。これまでのところ、発電量は見込みを上回っているという。

図2●太陽光パネルは、韓国の大手企業グループのハンファQセルズ製を採用した
(出所:日経BP)
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 常陽銀行によるA社のメガソーラー事業に対する融資では、「ABL(Asset Based Lending)」という新しい手法の金融スキームが使われた。ABLは、「動産を含む資産担保融資」と説明されることが多い。ABLによる太陽光発電事業への融資では、土地(借地権)のほか、太陽光パネルやPCSなどの動産設備、パネルやPCSに対するメーカーなどの保証、損害保険会社と契約した火災保険、そして、電力会社に対する売電債権など、売電事業にまつわる資産すべてが担保になる(図3)。

図3●ABLスキームのイメージ。太陽光発電の売電事業にまつわる資産すべてを担保とする
(出所:日経BP)
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