――十数枚単位で直列に接続した太陽電池モジュール群である「ストリング」ごとに発電中の出力をリアルタイムで把握する「ストリング監視」を導入すれば出力が低下した太陽電池モジュールを特定しやすくなると聞く。

吉富 それ以前に、設置業者が、メーカーから購入した製品の使い方を間違っていることが多いことも問題になると思う。しかし、システム設計が正しく行われていて、メーカーの製品に問題があったとしてもとしても、ストリング監視は、あくまで「製品に不具合が生じている可能性」を探し出す一手段に過ぎない。実際には、「どこに不具合があるのか」を正確に把握しないと、メーカーに対し、太陽電池モジュールの回収や交換を求められない。

加藤 遠隔監視自体はあってもよいと思う。ただし、遠隔監視によって得たデータが示している状況を、正しく理解し、解釈できる従事者がおり、不具合の可能性をきちんと判定するクライテリア(基準)がないと、最適に活用できないだろう。

 例えば、あるストリングの出力が、相対的に下がっていると分かったとする。ただ、出力が下がっているからと言って、太陽電池モジュールの不具合だけが原因とは限らない。

 また、一方でストリング監視を導入しなくても、比較的容易に太陽電池モジュールの不具合を把握できる場合もある。ストリング監視の導入が増えているのは、計測器メーカーなどがビジネスチャンスと捉えて、その効用を強調している側面もあるのではないか。

 いま、望まれるのは、太陽電池モジュールに不具合が起きた場合、それがデータとしてどのように表れるのかを知ることだ。因果関係を正しく把握できるようにならなければ、遠隔監視技術の進歩はない。そのためには、因果関係を集約したデータベースの整備が必要である。