船中での荷崩れ事故を教訓に検査を強化

図7●海上輸送中に台風による揺れで荷崩れしたパネルの梱包
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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図8●太陽光パネルを設置するサイトでもEL検査の実施体制を構築
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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図9●段ボール箱に縦に並べて梱包する方法に変更
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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図10●梱包した段ボール箱を積む場合、2段までに制限
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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 とりわけ強化したのがEL試験だ。きっかけになったのが、輸送中の事故だった。生産を委託し始めて間もない2011年夏、パネルを載せた貨物船が洋上で台風に遭遇、大きな揺れにより、梱包したパネルがコンテナ内で荷崩れしてしまった(図7)。これを受け、約5000枚のパネルを全てEL検査した結果、1000枚強の不良品を発見した。「この事件で輸送のリスクを痛感した」(志波部長)と言う。これを教訓に平常時からEL検査の回数を増やした。荷揚げして、設置するサイトにEL検査機器を持ち込み、必要な場合に抜き取り検査が出来る体制も構築した(図8)。

 並行してEL不良率を下げる改善策を打った。恒久対策として、輸送時の梱包方法を見直した。パネルを横にして積み上げるのを止め、段ボール箱に縦に並べて収納し、この箱を重ねるのは2段までとした(図9図10)。また、工場の工程内でパレットに載せて移動する方法も改善した。

 ネクストエナジーの酒井課長は、「中国工場と連携した品質管理がうまくいっているのは、改善活動を通じ、信頼関係を築いたことが大きい」と話す。ネクストエナジーの品質管理チームが毎月約1週間、中国工場を訪れ、課題や改善案などを議論するという。同社では、中国人社員を5人採用し、工場との交渉や品質管理チームに配属するなど、中国工場の幹部、従業員との円滑なコミュニケーションにも気を配っている。「中国の太陽光産業はまだ歴史が浅い。我々の蓄積したノウハウを提供することで双方にメリットがあることを理解してもらえたことが信頼関係のベースになっている」と酒井課長は言う。

 2012年6月期に約6億円だったネクストエナジーの売上高は、2013年6月期には約54億円に急拡大し、2014年6月期には100億円を超える見込みだ。EPCやO&Mなどで関与するメガソーラーは「那須ちふりメガソーラー」のほか、すでに7サイト稼働しており、パネル納入だけの案件を加えると、2013年度(2013年7月~14年6月)で約80MWを見込む。事業を急拡大させつつ、高い品質を維持できているのは、中古パネル事業などで蓄積した地道な検査・分析ノウハウをうまくシステム化し、提携先企業への展開が軌道に乗りつつあるからと言えそうだ。