電設会社や商社の案件を多く受注

  建設工事の元請けとなるEPC(設計・調達・建設)サービス事業者によっても架台の発注の仕方が異なる。ゼネコン(総合建設会社)が元請けの場合は自社の設計部隊が架台を設計するため、加工業者は設計図に従い加工・製造だけを請け負うケースが多い。一方、建築物や工作物の設計部隊を自前で持たない電設会社や商社などが元請けの場合、架台の設計は外注することになる。こうしたケースでは設計から加工・製造までを一貫して請け負える日創プロニティは非常に重宝な存在となる。

 加えて、多様な加工をこなすために数多くの加工設備を装備した同社の生産力は金属加工業者の中では群を抜く。急速に立ち上がったFIT市場に対応できる製品供給力を潜在的に備えていた。「FITが始まってから新たに導入したマシンは全体の3割程度で大半は既存設備で対応できた」(石田社長)ことが機敏な増産を支えた。裏を返せば、それまでやや設備が過剰気味だったという面もあるが、これが大きな商機につながった。2010~12年は2~6%程度で推移していた売上高経常利益率(いずれも8月期)は、工場がフル稼働に入った後の2013年8月期は43%に跳ね上がった。

メガソーラー1MW分を1日で製造

  ここで架台を構成する長尺部材の製造の流れを見ておこう。原材料はフープ材と呼ばれる薄板をコイル状に巻いた素材で、コイルのまま適切な幅に切断し、各工程に供給する(図7)。フープ材から切り出した平板状の板金(シートメタル)を素材として仕入れる板金加工業者も多いが、日創プロニティでは一貫加工による生産性の追求と大量受注にも柔軟に対応するため、常に大量のフープ材を在庫に持っている。

図7 架台の原材料である板金をコイル状に巻いたフープ材
(出所:日経BP)
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 板金をさらに適切な幅、長さに切断し(図8)、ボルト穴などの穴あけ加工をした後(図9)、指定された形状に折り曲げ加工する(図10)。長尺の板金に凹凸などの形状を加工する場合は、必要に応じてローラー成形機で成形する(図11)。

図8 シート材の幅を調整するせん断加工機
(出所:日経BP)
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図9 数値制御で穴あけ加工するパンチプレス機と外形を調整する切断機の複合機
(出所:日経BP)
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図10 深い曲げ加工が可能な折り曲げ機。画像のマシンは最大長さ6mの板金の加工が可能
(出所:日経BP)
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図11 長尺の板金に凹凸加工を施すロール成形機。回転するロールで圧延して成形する
(出所:日経BP)
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  加工機の多くは設計部隊が作成した形状やサイズ、穴あけ位置などの仕様データを設定すれば、加工自体は自動制御になる。「いかに人手をかけずに量産するかで利益幅が決まる。自動化の追求が鍵を握る」と石田社長は話す。山田工場では人手が必要な調整や試作は昼間に行い、ほとんど人手のない夜間は自動機が夜通し動き続ける。1日の架台生産量はメガソーラー1MW分から多いときは2MW近くに達することもある。