「42円の悪質な案件」はすべて取り消し対象

――1kWh当たり42円の買取価格の権利だけ取得して設備の値下がりを待つような問題のある案件は、いったん設備認定を取り消され、今後、健全な形で、復活するということか。

経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー対策課の村上敬亮課長

村上 感覚的な表現になるが、世間の皆さんが見て、これはひどいと思われがちな案件は、すべて今回の取り消しの対象に入っていると考えてほしい。こうした案件は、数は多くないが、あまりにもわかりやすく、目立っていたために、情報が広まりやすかった。

 また、問題のある案件の中には、本来、高圧線に系統連系しなければならない出力規模にもかかわらず、50kW以下の複数の発電所に分割して低圧線に連系している場合がある。こうした本来、高圧で連系するべきところを、低圧に分割して昇圧器のコスト負担を回避しているケースを根絶する措置をとった。高圧案件を低圧分割すると、電力会社の負担が増す、つまり社会的コストが上がることが理由だ。

 さらに、土地の共有者間のトラブルに起因する転売の問題を防ぐために、共有者同士が合意していない限り、認定しないことにした。土地の共有者同士が合意できずにもめているようなケースでは、高値で買い取る第3者に土地が転売されることが多く、その場合、その地域にとって問題になりそうな主体が土地所有者になる恐れがあるからだ。

――2014年度からは、設備認定後、土地と設備の契約書が整わない場合、6か月で認定を取り消すと決めたが、契約書の偽造などの取り消し逃れの心配はないのか?

村上 政府が求めているのは、事業に必要なコストを概ね確定して欲しいということ。買取価格に見合ったコストになっているか確認するためだ。賃借料や購入代金など金額のない契約書は普通、考えられないので、契約書があれば確定できる。もし、契約書を偽造したら、公文書偽造で訴えることになる。

――今回決まった1kWh当たり32円という固定買取価格に対して、まだ発電事業に取り組もうという企業と、もうあきらめるという企業で、反応が分かれている。

村上 1kWh当たり32円は、IRR(内部収益率)で6%以上の確保を前提にした計算から導きだしており、まだ若干、余裕がある買取価格だと考えている。ただ、太陽光発電の他にもっと収益性の高い事業を確保できるのであれば、そちらに注力するという選択になり得るため、分かれて当然だろう。分かれないようなら、よほど高い買取価格という証明であり、取り組み姿勢が分かれ始めたのは、むしろ健全な状態になっているといえる。

 太陽光発電市場が、本当の成長市場になるために必要なのは、リテラシー・ギャップの解消と、悪質業者の放逐に尽きる。32円という価格はそのためにも適切な水準と認識している。32円でも、しっかりした発電事業のノウハウを持って、発電に取り組む企業こそ、今後、太陽光発電市場を支えてくれる本物の企業と考えている。

――ただ、小規模な太陽光発電事業者や建設事業者のなかには、1kWh当たり32円の買取価格では、厳しいとの声は多い。