構造計算にJISの基準を用いない

 奥地社長は「本来、架台の設計・施工は、構造(強度)、腐食、地盤などに関する総合的な知見が問われるが、架台を安易に考えている太陽光発電事業者が多い」と嘆く。同社は架台にまつわる太陽光発電所のトラブルや不具合事例の情報を集め、現地に足を運んで画像に記録している。それを見ると、強風にあおられて杭基礎が引き抜かれたケースや、架台ごと折れて転倒した事例。豪雪の加重で曲がったりつぶれたりした架台。建設後2~3年しか経っていないのに基礎と接する付け根部分で塩害による腐食が始まっているものもある。

 同社では架台の寿命を決める強度や耐食性をいかに高めるか、独自に研究してきた。その成果が、国内の架台で初めての「20年保証」である(図4)。「固定価格買取制度(FIT)の買取期間である20年、寿命を保証するのは架台メーカーの責任」と奥地社長は考える。

図4●奥地建産の地上設置用架台「サンキャッチャー フィールド」。20年保証を実現した(出所:奥地建産)
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 例えば、風圧に耐える架台強度は建築学の構造計算という手法から算出するが、採用する基準によって必要とされる強度が変わる。太陽光発電用架台の場合、多くは日本工業規格の「太陽電池アレイ用支持物設計標準」(JIS C 8955)を用いる。だが、専門家の間では、「骨組み構造体」を主に想定しているJISの基準は屋根置き架台に対しては不十分という見方がある。奥地建産では構造計算の基準にJISを用いず、ねじれやたわみ、応力に対する条件がより厳しい日本建築学会の「軽鋼構造設計施工指針」の基準を採用し、架台の開発や設計を進めている。