住宅向け地盤強化技術で長寿命化

 構造や腐食に関する知見のほか、同社のもう1つの武器が土壌に関する知見である。軟弱な地盤の場合、長期間の荷重や、雨水による土壌の浸食で、太陽光パネルを支える基礎が傾いたり、ずれたりする恐れがある。

図7●地盤改良用の鋼管杭(出所:奥地建産)
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図8●鋼管杭打ち工事も手掛ける(出所:奥地建産)
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 奥地建産は架台や住宅内装部材のほかに、地盤改良用の鋼管杭という独自性の強い製品を持っている(図7)。いわゆる杭基礎である。同社が開発した住宅建築用の鋼管杭は、浅い基礎では構造物を支えられない軟弱な地盤でも、より深く打ち込むことで、構造物を十分な強度で支えられる。鋼管杭の杭打ち工事も自社で手掛けてきた(図8)。「住宅向けで培ってきた土壌調査や地盤強化の技術やノウハウが、メガソーラーなど向けの架台販売に生かされている」と営業開発本部本部長の奥地昭統常務取締役は話す。

 同社はFITを機にEPC(設計・調達・建設)サービス事業にも参入した。2012年12月には自ら奈良県葛城市に出力998kWの太陽光発電所を建設し、発電事業に乗り出した。2013年5月に福島県須賀川市に新設した福島工場では屋根置きの太陽光設備(924kW)に加え、近隣の敷地に729kWの地上設置型太陽光発電所を建設した。主力の三重工場の屋根には国内外11社の太陽光パネルを設置し、発電特性などを検証してきた(図9)。こうした自社の取り組みで蓄積した知見や地盤改良技術をEPCサービスに生かしていく。

図9●三重工場屋上に設置した国内外11社のパネル。発電量などのモニタリングを続けてきた(出所:奥地建産)
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 「消耗品のように、造っては壊す戦後の住宅建設の在り方は、顧客や社会から批判されるようになった。太陽光発電も同じ。電力を供給する社会資本にふさわしい品質を提供するのがメーカーの責任だ」と奥地社長は主張する。