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 ウエアラブル技術を基盤とするビジネスモデルはどうあるべきか――。デジタルヘルス分野に向けたサービス/ソフトウエアの開発などを手掛けるベンチャー企業、プラクテックス 取締役の小原由記子氏は、「単に、一部のICTリテラシーの高いユーザーのためだけではなく、社会課題の解決とビジネスとしての継続性が不可欠になる」と語る。

 2014年6月11日に開催されるデジタルヘルスAcademy「『ウエアラブル』の本質を議論する」において、「ウエアラブルを活用したデジタルヘルスビジネスの現状と課題」と題して講演する小原氏に、ウエアラブル技術などを用いたデジタルヘルスビジネスへの考えについて聞いた。

(聞き手は小谷 卓也=日経デジタルヘルス)


――最近では、ウエアラブル関連の端末が相次いで登場してきています。今後のデジタルヘルスビジネスの観点から、最近の動きをどのように見ていますか。

関西
小原氏

 特にスポーツ系の分野などで、個人が自らデータを管理して楽しむための技術として普及してきました。それはそれで、意味があることです。

 しかし、こうしたウエアラブル技術などを、社会的な課題の解決に利用するという観点も加えていかなければ、単に“ガジェット好きの人のおもちゃ”のままで終わってしまいかねません。

 その点では、データを取得する人、データを閲覧する人、データを基にアクションする人がそれぞれ別々に存在するビジネスモデルを構築しなければなりません。具体的には、データを取得する人(ウエアラブル技術の利用者)とは別に、家族や医療従事者といった第3者が何らかの形でこのビジネスモデルに入っているサイクルを作っていく必要があります。

 さらに、データを取得する人(ウエアラブル技術の利用者)のITリテラシーの有無とは関係なく、そのデータを基にしたアクションなどを受けられるビジネスモデルでなければなりません。

――そのようなビジネスモデルの構築において、注目しているプレーヤーはありますか。

 薬局です。

 薬局は国内に5万数千店舗あり、コンビニエンスストアよりも多いのです。今は、患者が処方箋をもらってから行く場所ですが、今後はその役割が変わっていく可能性があります。具体的には、健康管理ステーションとしての薬局です。

 薬局にはもちろん薬剤師がいます。こうした専門家のノウハウをもっと活用していくべきです。もっとも、薬局としても今のままでは差異化できないという課題があるでしょうから、新たなビジネスモデルに関心を寄せているところも少なくありません。

 実際、我々(プラクテックス)は今、ある薬局とヘルスケアビジネスの構築に向けた連携を進めているところです。

――デジタルヘルスビジネスの構築において、御社をはじめとするベンチャー企業の役割についてどう考えていますか。

 ベンチャー企業といえば、例えばIT系などに多いですが、そのITベンチャーの多くは、「医療・ヘルスケア分野は自分たちの出る幕ではない」と思っているところが少なくありません。私は違うと思います。ITベンチャーの発想を持ち込めば、医療・ヘルスケア分野でやれることはたくさんあります。それを多くのベンチャー企業にも気付いてもらいたいと思っています。

 ただし、医療・ヘルスケア分野は社会的な分野でもあるため、ベンチャーであることがハードルになってしまうこともあるでしょう。その点では、うまくベンチャー企業と大手企業が役割分担と連携をできるような構図が生みだすことも重要だと思っています。