シミュレーター運用で在宅復帰率が上昇、スタッフのモチベーションも向上

 在宅復帰支援シミュレーターなどを利用した新たな自宅退所援助ワークフローの運用により、15%程度だった在宅復帰率(6カ月間)が常に30%以上に上がり、高い月には50%を超えるようになったという。「昨年4月からの半期で、積極的な支援を実施した入所者のうち自宅退所となった成功率は、一般棟で35.7%、認知症専門棟で61.5%となり、全体で約42%を達成できました」(齊藤氏)と成果を強調する。

 在宅生活での身体的負担と経済的負担を、iPadを使って視覚的かつ即座に確認しながら説明できるようになり、利用者や家族が在宅生活のイメージを把握しやすくなったことが、在宅復帰率向上の一因になっているという。

iPadを用いて視覚的、即座に確認しながら説明できるようになり、利用者や家族が在宅生活のイメージがつかみやすくなったと笹島氏
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 さらに、シミュレーター活用などで職員のモチベーションが向上したことが在宅復帰率向上のカギになったと笹島氏は強調する。

 「入所前後から、支援相談員やケアマネ、医師、看介護、リハビリ部門、栄養部門の各スタッフが早期退所に向けて取り組んでいます。自分たちが在宅復帰支援で何ができるか、どうすれば在宅生活に戻ったとき、家族に負担を掛けないレベルに持っていけるかについて意識を強く持つようになり、スタッフの退所に向けた関わり方のモチベーションが大きく変化したと感じています」(笹島氏)。

 現在、施設の面談室などで行う家族への説明に在宅復帰支援シミュレーターをiPadとWiFiで活用しているが、自宅訪問した際にも在宅復帰支援シミュレーターを使用できる環境が欲しいと笹島氏。「VPN接続で施設内のFileMaker Serverにアクセスして運用することは、今でも技術的には可能。ただ、入所者情報をネットワーク経由で施設外から利用するには、安全性の確かな担保が不可欠です。また、施設のポリシーに合致するかどうかについても十分な検討が必要です」(齊藤氏)と、システム運用の利便性向上に向けた今後の取り組みについて述べた。

■病院概要

名称:医療法人社団 秀友会
介護老人保健施設 サンライフゆもと
所在地:福島県いわき市常磐藤原町大畑13-1
開所:1988年11月
入所定員:一般棟100床、認知症専門棟50床
関連施設:グループホーム「サンファミリー」、通所リハビリテーション「サンライフゆもと」、短期入所療養介護(ショートステイ)「サンライフゆもと」、訪問リハビリテーション「サンライフゆもと」
Webサイト:http://www.sunlife-yumoto.com/index.html
導入システム:ファイルメーカー「FileMaker Server 13、FileMaker Pro 13、FileMaker Go 13」、アップル「iPad」ほか