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講演する横浜国立大学 大学院 都市イノベーション研究院 准教授 西尾 真由子氏
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橋は、架けられてから数十年間の長期にわたって使い続ける社会インフラである。その損傷などをできるだけ早く発見し、対処するための手法として、センサーによる計測を応用したモニタリングに注目が集まっている。「ナノ・マイクロ ビジネス展」(4月23日~25日開催)と併催の第20回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムでの横浜国立大学 大学院 都市イノベーション研究院 准教授 西尾 真由子氏の講演「社会インフラ構造物におけるヘルスモニタリングの実際とセンサシステムへの期待」をまとめた。

図1●日本の約半数の橋で、2030年までに橋年齢が50才を超える(出所:横浜国立大学の西尾氏)
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 日本では、老朽化している橋が増え、橋の維持管理が従来以上に重要になってきた。現存する橋の多くは、1970年代~1980年代に架けられたものである。現在、15万橋以上ある橋のうち約半数は、2030年までに橋年齢が50歳を超えるだろう(図1)。

 橋年齢が40歳を超えると、さまざまな損傷を生じやすくなる。そこには、鋼の腐食や疲労亀裂、コンクリートのひび割れや剥離など、重大な損傷も含まれる(図2)。

図2●橋年齢が40歳を越えると、さまざまな損傷が生じやすくなる(出所:横浜国立大学の西尾氏)
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 プレストレスト・コンクリート(荷重の影響で生じる引張応力を打ち消す目的で、あらかじめ圧縮応力を印加したコンクリート)を使っている橋において、応力を付加するためのケーブルが切れてしまうことさえある(図2の左下)。

 また、温度変化による構造部材の伸縮の吸収や耐震性の向上を目的に、橋の上部構造と、橋台や橋脚といった下部構造の間に設置する「支承」と呼ばれる部材が、動きづらくなって性能が劣化してしまうこともある(図2の右下)。