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双方向連携を見据え、比較的容易な連携仕様からスタート

 開発の重要なポイントであったCSSと電子カルテのデータ連携は次のようになっている。CSS側は電子カルテのデータ(患者情報など)をバックアップ用データベースから取得する。一方、CSSから電子カルテデータベースへ直接書き込む方式を採用しているのは、現時点では紹介患者データのみ。その他は、基本的にProRecord Medical経由で電子カルテに手動貼り付けする仕組みを採用している。

 「単純な方法ですが、最も開発費が抑えられる仕組みです。また、CSSアプリの妊婦健診システムの記述を電子カルテに反映する場合は、手動でコピー・アンド・ペーストする古典的な方法を用いています。これを力わざで自動化したところで生産性はさほど変わらず、費用対効果は期待できません」(松波氏)と、その理由を説明する。

 CSSに入力した情報を電子カルテの当該欄に自動的に貼り付ける仕組みにしているのが「指示コメント機能」だ。MegaOakHRの指示コメント機能はテキストベースで、テンプレートもないため入力が煩雑だった。しかし、看護師の指示受け機能へ連動するためには、この機能を使う必要がある。そこで、FileMakerのテンプレートで選択・作成した指示情報をボタンのクリックで自動的にMegaOakHRの指示コメント欄に転記する仕組みにした。この仕様を利用して連携しているものには、一般入院指示コメント、診療科別コメント、インスリンスケール、心臓カテーテルの指示、輸血指示などがある。

入院時指示をはじめ、各種指示コメントはCSSで詳細を入力し、コピーボタンで電子カルテの指示コメント機能に転記される
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 電子カルテデータベースにSQLで直接書き込む連携を実現しているのが紹介状情報だ。患者が持参した紹介状を受付でスキャンし、バーコードリーダーで患者IDを読み取って、CSS上に構築した紹介患者データベースに記録している。紹介患者であるという情報は電子カルテ側に転送され、カルテ上で紹介患者であることが区別できるようにした。紹介元などの詳細な情報はFileMakerを開くと閲覧できる。

紹介状は原本をスキャンするとともに、詳細な情報をCSSの紹介患者データベースで管理。この情報は電子カルテに転送され、紹介患者であることをカルテ画面上で区別できるようになっている
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 「紹介患者データの転送以外はまだ電子カルテデータベースへの書込みは行っていないが、FileMakerで基幹データベースのテーブル操作を可能にするESS(External SQL Source)を利用した双方向連携は、今後の課題であり推進していきたい。データベース仕様の公開が前提になるため、電子カルテベンダーとの信頼と協力関係を深めていく必要があります」(松波氏)。