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 GEヘルスケア・ジャパンは、自動走行式の血管X線撮影装置(アンギオ装置)「Discovery IGS 730」を、奈良県天理市の高井病院に納入した。国内初導入となる。X線透視画像を見ながらカテーテルを使って低侵襲に治療を行うIVR(interventional radiology)と開胸する外科手術の両方に対応するハイブリッド手術室に向けた製品だ。レーザーガイド技術を使って、手術室内のあらかじめ設定したポイントからポイントへ移動する。外科手術中には壁際へ遠ざけておき、手技の邪魔にならないようにするといった使い方を想定している。

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ハイブリッド手術室の内部。奥にアンギオ装置。手術台の患者の足元側(写真手前)にコントローラー

 ハイブリッド手術室ではこれまで主に天吊り式のアンギオ装置が採用されてきたが、天井にレールを設ける天吊り式は設置工事が大掛かりになるほか、手術用の照明やカメラの邪魔になったり、天井から壁への空調の気流をさまたげて清潔度を低下させるといった課題があった。

 自動走行式のIGS 730は、本体のレーザー照射装置と壁に設置した11個の受光部で、位置情報を取得して移動する。コントローラーで移動先のポイントを選び、移動ボタンを押し続ければ、指定したポイントまで移動する。途中で止めたいときはボタンを押すのをやめるだけでいい。操作が容易でかつ機動性に優れ、手術室内のほかの装置や機器、空調の気流などの邪魔になりにくいのが特徴だ。

 動き出しはゆっくりと、手術台から遠い壁付近ではやや速くなるなど、移動速度は効率的に自動制御される。コントローラーは手術台に2つ装備しており、執刀医や助手が手術台を離れずに操作できる。ただし、安全への配慮から、壁際のパーキングと呼ぶポイントから手術台の近くへ復帰させるときは本体の操作パネルでのみ動かせるようになっている。

 約900kgの装置の走行に耐えるため、床を強化するとともに、数mm単位の制御に狂いが出ないよう、床の凹凸をなくすための特殊な工事を施した。装置の耐用年数は10年、床も同水準という。

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アンギオ装置はCアームを駆動させる構造物(レールやブリッジ)がなく、すっきりしたデザイン

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Cアームの上部にレーザー照射装置がある

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壁には11個の受光部(リフレクター)を設置

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Cアームの背面に制御用のタッチパネルがある。移動の操作は、画面をタッチして移動するポジションを選び、手元のボタンを押すだけ

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移動するポジションを表示したタッチパネルの画面。手術室内に細かくポジションを割り振っている。アンギオ装置は、ほかの機械や人と干渉しないよう、この線上を移動する

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手術台の側面にもコントローラー。台上に見える銀の器具は外科手術用のもの。通常のIVR手術室には備わっていないもので、ハイブリッド手術室特有の光景だ