給湯はコージェネの排熱が効率的

――電力システム改革は、価格競争や他業種の企業の参入も促す。

自民党の資源・エネルギー戦略調査会会長の山本拓・衆議院議員

山本 価格競争が起きるのは当然として、もう一つ期待しているのは、スマートメーターの日本中の約5000万世帯への普及が、これまでの一般電気事業者の計画より5~6年間、前倒しにされること。

 検針が不要になる効果も大きいが、それ以上に、電気利用者それぞれの時間帯ごとの利用の傾向を把握できることで、夜間に多く電気を使う利用者向け、昼間に多く電気を使う利用者向けに、別の料金体系ができることに期待している。これによって、送電インフラをかなり効率化できる。

 また、電源として、コージェネレーション(熱電併給)システムを従来以上に有効に活用することも期待している。住宅一軒あたりのエネルギー消費量の約半分は、給湯のために使われている。電気は電気として使い、温水の生成にはコージェネの排熱を使うことが最も効率が良い。

 家庭へのコージェネがどんどん普及すると、余剰電力を生み出すこともできる。例えば、コージェネ設備を販売したガス会社が、こうした家庭の余剰電力を買い取り、そのガス会社が電力小売事業者として売電するなどのビジネスモデルも考えられる。そうなれば、さらにコージェネが普及しやすくなる。

再エネ推進で海外に流出する化石燃料代を減らす

――連立政権を組む公明党は、2030年の電力供給に占める再生可能エネルギーの比率を30%に引き上げると主張している。この主張も、政府が定めようとしている再エネ比率の目標に影響してくるのか。

山本 意見を聞くのは当然だが、電力小売りが全面自由化されるということは、従来のように、国が独占権を与えた企業だけで市場を構成するわけではなく、再生可能エネルギーの比率の高い電力小売事業者が、どこまで契約を増やせるのかにかかっている。

 多くの分散型電源を電力小売事業者が束ね、契約先に売電することになるので、まず、地域ごとに電力小売事業者が多く登場することが重要になる。

 電力小売の全面自由化によって、新たに7兆5000億円の住宅向けの電力小売市場が開放される。これまで国民や企業が払ってきた電力料金は、電力会社を通じて、石炭や天然ガスといった燃料の仕入れ先である海外に流出している。

 それを、地元の再生可能エネルギー発電所の電力で、より多く置き換えられれば、地域にお金が留まるようになる。日本の中で、より多くのお金が循環するようになることが、最も重要な変化になる。

 そうした視点で見ると、地域の電気利用者が、その地域の再生可能エネルギー電力の比率が高い事業者から電気を購入することが望ましい。その規模が拡大すれば、自ずと地域への設備投資が進み、再生可能エネルギーの比率も拡大していく。