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手術予定と実際との差が3時間以上は再手術が多い

 続いて、手術に関する改革について解説した。紀ノ定氏は以前、手術の予定在室時間と実際に要する時間の差を調べた。すると、手術時間が予定を3時間以上超えるケースがしばしばあることが判明。さらにデータ解析を進めると、1週間以内に再手術が必要となる確率が、3時間以上超過の場合は5.5%もあり、全体の2.5%と比較して有意に高いことが分かった。

 そこで予定を3時間以上超えた場合に、理由を詳述したレポートを提出させる「3時間ルール」を設定。手術室の効率的運用と同時に、手術の質改善を図った。このレポート導入以前は「時間をオーバーするのは、難手術や緊急手術だから仕方がない」という見方が支配的だった。だが、実際にレポートを義務付けたところ、医師が原因として指摘したのは、過少申告、術前評価が多く、救急などの緊急症例は少なかった。

 「つまり、手術に必要な事項や手順について十分な事前シミュレーションがなされていないために、予定と実際の差が大きくなっていた」(紀ノ定氏)。レポートの導入後は、事前準備により注力するようになったため、手術の予定時間と実際の手術時間の差は、「現在でもゼロにはなっていないが、少なくなっている」(紀ノ定氏)という。