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売上高規模別に見た医療機器メーカーの収益性の傾向

 日系医療機器メーカーの業績の推移を見ると、2009~2012年の4年間の売上高は、年平均4.0%の成長(「製造業」に分類される239社の平均値)にとどまったのに対し、世界の医療機器市場の成長率は、同期間に年平均8.1%で推移しました。この差を見るかぎり、日系医療機器メーカーは、市場成長の恩恵に十分にあずかれていません。

 世界の医療機器メーカーを、売上高と売上高営業利益率の2つの指標で分析すると、3つの特徴を読み取ることができます。第1に、「売上高300億円未満の企業群」では、売上高営業利益率の平均が14.2%でした。第2に、「売上高300億円以上1000億円未満の企業群」では、売上高営業利益率の平均が11.8%にとどまり、より規模の小さい第1の企業群と比べて収益性が相対的に低くなっていました。そして第3に、「売上高1000億円以上3000億円未満の企業群」は同14.8%、「売上高3000億円以上の企業群」は同20.5%であり、高収益企業も散見されました。

日米欧資本の上場企業のうち、P/Lデータがそろう医療機器メーカー188社を対象に野村総合研究所が分析した。値は2012年度
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 売上規模上位の日系医療機器メーカーは、第2の企業群に位置づけられる企業が多くなっています。こうしたメーカーは、第1と第3の企業群に位置する高収益企業と比べて、収益性が低迷する傾向があります。そのため、業界における現状のシェアを変えられない状態が長期間続くと、事業の成長に必要な投資ができなくなってしまいます。その結果、チャネルにおけるシェアを、競合他社に徐々に奪われていくことになりかねません。