裏面への入射光で発電量は20%増加

 「両面発電パネル」とは、裏側でも太陽光で発電するタイプのセル(発電素子)を使った太陽光パネルだ。通常のパネルは裏側にバックシートという白い樹脂製シートを貼り付けてあるが、「旭川北都ソーラー発電所」に導入した両面発電パネルの裏側は透明のバックシートでカバーしてあり、太陽光を取り入れて発電できる。セルの裏面でも発電する分、通常の「片面発電パネル」に比べ、発電量が稼げる。この両面発電タイプのセルを開発・販売するのは、2007年に設立された太陽電池ベンチャーのPVG Solutions(横浜市港北区)だ。「EarthON(アーソン)」という商品名で販売している最新型だ(図3)。

図3●PVG Solutions製の「EarthON(アーソン)」を使ったパネル(出所:日経BP)
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 両面発電型太陽電池の原理は、早くから知られていたが、裏側の変換効率を上げるのが難しいなどの課題があり、製品化する企業は少ない。PVG Solutionsは、裏側の変換効率を高くできる量産技術などを確立し、製品化に乗り出した。愛媛県西条市の工場で両面発電セルを製造し、中国や台湾などのパネル(モジュール)メーカーに販売している。フル操業で年間35MWの生産能力があり、現在、年間約20MWを生産している(図4、5)。

図4●PVG Solutionsの西条工場。ウエハの投入後の表面エッチング装置(出所:日経BP)
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図5●PVG Solutionsの西条工場。反射防止膜形成装置(出所:日経BP)
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 「EarthON」の場合、表面の変換効率は平均19.5%、裏面は同18.7%となる。ただ、裏面には、表面と同じ光エネルギーが入射しないため、同時にこの変換効率分の発電は実現できない。裏面への光の入射量は、周囲の環境や地面の反射率、設置方法や天候によって、表側の1~3割になり、その分だけ片面パネルに比べ発電量が増加する。裏面による増加量は、雪が積もっている晴天時で2割を超え、夏でも地表に反射材を敷くと約2割になるとの調査結果を得ている。