裏面を合わせると、変換効率は23.2%

 PVG Solutionsは、2012年10月から北海道北見市で、北見工業大学、伊藤組土建、KITABAとコンソーシアムを組んで、両面発電の実証試験を行ってきた。冬は雪、それ以外の季節はホタテ貝殻の反射を利用して「年間発電量20%増加」を実証した(図6)。「オホーツクの地域特性を生かした両面受光型太陽光発電システム実証試験」として北海道とのタイアップ事業として推進されており、北見市の支援も受けている。前述の旭川市の両面発電メガソーラーへの採用も、この実証試験の成果が有力な判断材料となった。

図6●北見工業大学、伊藤組土建、KITABAと実施した両面発電の実証試験(出所:PVG Solutions)
[画像のクリックで拡大表示]

 裏面への入射量を表面の2割とすれば、表面の変換効率(19.5%)に裏面の変換効率の2割(18.7%×0.2=3.7%)が加わり、両面を合わせると(19.5%+3.7%)、変換効率は23.2%に達する。これは、量産レベルの太陽電池セルのなかで、トップクラスの水準になる。

 変換効率の向上という点で、非常に有望な両面発電セルだが、耐久性や信頼性という面では、一般的な片面発電セルとは違った課題がある。PVG Solutions・太陽光関連技術本部の合田晋二・代表取締役本部長は、「太陽電池セルの製造工程には、高温での熱拡散で表面処理する工程がある。拡散工程は、品質のばらつきが出やすく製造管理が難しい。一般的な片面発電セルでは、拡散工程は1回で済むのに対し、両面発電セルでは、2種類の拡散工程を経るため、より高度な生産技術が求められる」と話す。拡散工程の管理が不十分で品質にばらつきがあると、セルの逆耐圧特性が悪くなり、セル内部でリーク電流(漏れ電流)が起きやすくなり、発熱してホットスポットなど不具合のリスクが高まる。