「両面」の壁となる高度な製造技術を克服

図7●西条工場の電極印刷ライン(出所:日経BP)
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図8●西条工場の電極印刷装置(出所:日経BP)
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図9●西条工場の電極印刷アライメント装置(出所:日経BP)
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 拡散工程が2種類になるのは、裏面からも光を取り入れる必要があるからだ。半導体の一種である太陽電池は、シリコン結晶ウエハの表面と裏面を異なった性質の半導体に変え、層構造にすることで、光を受けると電位差が生じ電気が流れる。異なる性質の半導体に変えるためには、リンやボロン(ホウ素)を830℃~980℃で拡散させる手法が知られる。ただ、片面発電セルの場合、裏面にはアルミペーストをスクリーン印刷して焼成する手法が開発され、製造コストも下がることから一般的になっている。その結果、拡散工程は、表面のリン拡散だけになった。だが、両面発電セルの場合、アルミを塗ると不透明になるため、この手法は使えない。「リン拡散」に加え、「ボロン拡散」という2種類の拡散工程を採用することで両面とも透明に仕上げている。

 PVG Solutionsの西条工場で特徴的なのは、拡散工程とその前処理およびマスク処理に独自の方式を採用していることだ。シリコン結晶ウエハは、まずアルカリでエッチング処理した後、1回に約600枚のセルウエハを炉に入れ、高温状態で、表面に「ボロン拡散」、裏面に「リン拡散」を施す。こうして半導体の層構造を作る。その後、裏面の電極印刷、表面の電極印刷などの工程を経て完成し、最後に品質検査を行う(図7、8、9)。