IECの高温高湿試験の3倍目指す

 同社の強みは、製造管理が難しい「ボロン拡散」工程に独自技術を持ち、品質を安定化していることだ。西条工場では、拡散工程の前に、ボロンを均一にコーティングする「ボロン塗布」工程を設けている。「あらかじめシリコンウエハに均一に塗布しておき、ボロンを拡散させることで、表面品質のばらつきを防げる」と合田本部長は言う。

 セルの品質を確保したうえで、重要になるのが、パネル(モジュール)に組み上げた後の品質や耐久性だ。現在、PVG Solutions製の両面発電パネルを製造しているメーカーは主に2社あり、1社は裏側に透明のバックシート、もう1社は薄板ガラスを使っている。同社は、パネルメーカーをサポートし、品質の向上に取り組んでいる。西条工場に完成したパネルを取り寄せ、高温高湿槽などを使い、IEC(国際電気標準会議)が定める加速劣化試験を実施している。「現在、IECの定める高温高湿試験の条件を2倍まで厳しくしても問題がないことを確認している。現在、3倍以上に厳しくしても問題が出ないことや、複数の種類の環境試験をシーケンスに組み合わせた独自試験をクリアすることも目指している」(合田本部長)。こうしたパネルとしての耐久性は、ハンダ付けやラミネートなど片面発電型と両面発電型で共通した製造管理が必要になる。

 一方、パネルを架台に組み付けた後に関しては、両面発電パネルに特有の課題がある。複数のパネルを載せる架台は、強度を高めるために、パネル裏側に四角の枠の中を水平方向や垂直方向、斜め方向に補強材を渡すことが一般的だ。片面発電パネルの場合、裏側に補強材があっても問題ないが、両面発電パネルの場合、裏面に入射する光を補強材が遮ってしまうことになる。光が遮られると、発電量に影響が出るのはもちろん、継続的に同じ部分が影になるとホットスポットとなり、不具合の生じるリスクが高まる。